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[早スポ]上形の虎の子の1点を守り切り完封勝利!

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]

 前節、国士舘大を下し(○3-1)、関東大学リーグ戦(リーグ戦)3位、首位との勝ち点差4で迎えた筑波大戦。優勝争いに絡むためには勝ち点3が絶対条件であるこの試合、現在リーグ戦最下位と低迷している相手を圧倒したいワセダ(早稲田大)であったが、前半はスコアレスで折り返す。後半も高いポゼッション率でボールをつなぐ筑波大に対し攻め手を欠くが、FW上形洋介(4年=早稲田実高)がワンチャンスをものにし先制。終盤にはGK松澤香輝副将(4年=流通経済大柏高)の活躍で1点を守り切り、最終節を残して首位との勝ち点差を2に詰めた。

 開始7分、MF近藤貴司(4年=三菱養和SCユース)とのワンツーから抜け出したDF新井純平(2年=浦和ユース)が、右サイドからグラウンダーのクロス。これにゴール前中央でフリーとなったFW宮本拓弥(3年=流通経済大柏高)が合わせるも、シュートはゴールポスト右にそれ、立ち上がりのビッグチャンスを逃してしまう。確実に先制点を奪いたいワセダであったが、パスとドリブルを織り交ぜた流動的なサッカーを展開する筑波大に自陣でボールを回される時間帯が続き、攻撃の糸口を見出すことができない。停滞した流れの中、27分、相手CKのクリアボールを拾った近藤貴がドリブルで一気に前線に運び得意の速攻に持ち込むが、パスを受けたDF奥山政幸(3年=名古屋U18)のミドルシュートは体を張った相手ディフェンスがブロック。堅守からカウンターのかたちが何本も飛び出すも前線でボールをキープすることができず、決定的なチャンスを生むことができない。両者見せ場をつくることができないまま、スコアレスで前半を折り返した。

 迎えた後半も、相手のパスサッカーを攻略し切ることができない。58分、右サイドを駆け上がった新井のクロスに宮本がヘディングで競り、そのこぼれ球に近藤貴が詰めるも、シュートはキーパーに阻まれる。豊富な運動量でプレスをかけてくる相手に対しパスミスが目立ち、攻撃を組み立てることができないワセダ。苦しい時間帯が続く中、状況を打開したのは得点に飢えたエース、上形だった。68分、自陣でボールを奪ったMF近藤洋史主将(4年=名古屋U18)が前線へ狙いすましたロングフィード。抜け出した上形が後方からのパスを落ち着いてトラップすると、キーパーの位置を確認して冷静にゴール右に流し込み、スコアは1-0に。欲しかった先制点が生まれ流れを引き寄せるかと思われたが、ここから筑波大が猛攻を仕掛ける。90分、相手FWがゴール右隅に強烈なヘディングを叩き込むも、これを松澤副将が左手一本でセーブ。ロスタイムに突入しても劣勢は変わらず、92分、フリーとなった相手MFがシュート性のクロスを放つが、このピンチも背番号『1』が右手一本で掻き出し、ファインセーブを連発する。終盤にかけ、4本のシュートで立て続けにワセダゴールに襲いかかった筑波大であったが、守護神を中心にこれを守り抜き、フィールドには試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

「内容を見てみれば、正直完敗だった」(松澤副将)。自分たちのプレースタイルを見せることができず、終始受け手に回ってしまった点に課題が残る。しかし、意地で守り切った勝ち点3 。優勝を勝ち取るため、絶対に落としてはいけない試合をものにした。今節の結果で首位・専大との勝ち点差は2に縮まり、最終節は首位を懸けた直接対決となる。きょう得た白星は、次週から始まるアミノバイタル杯、そしてリーグ戦制覇に向けて追い風となるだろう。負けられない戦いが、すぐそこに迫っている。

[写真]試合終了のホイッスルに歓喜する松澤副将

(記事 巌千咲、写真 松下優)

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