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[MOM1068]鹿島学園GK根本俊(3年)_ケガのライバルのためにも「仲間を信じて、自分を信じて」PK2本阻止

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.18 全国高校総体茨城県予選準決勝 鹿島学園高 2-2(PK3-2)水戸桜ノ牧高 カシマ]

 追い詰められた鹿島学園高を2人分の思いを込めて戦う守護神が救った。2-2で突入したPK戦。後攻・鹿島学園は1人目が失敗していきなりピンチに陥った。だが、続く水戸桜ノ牧2人目のシュートをGK根本俊(3年)が右へ跳んでストップ。「仲間を信じて、自分を信じてやっただけ。この前の試合で自分のミスで失点して、みんなが助けてくれた。きょうは自分が貢献できるように止めた」という根本は3-2で迎えた相手の5人目を右へ跳んで再び止めて見せる。「PKは得意じゃない。1年の時も、2年の時も勝てなかった。当たるけれど、球際のところで負けていたことが課題だった」というGKが、PK戦で2本を止めてヒーローとなった。

 正守護神を務めてきた長身GK金子優希(3年)が大会前に負傷。その直前から少しずつチャンスを得ていたという根本が公式戦の大会で初めてゴールを任されている。「ライバル意識はある。でも(金子は)自分のことを信じて声掛けしてくれる。『絶対に勝てる』とか。あと練習でシュートを撃ってくれたり、ゴール裏から指示を出してくれたりする」。怪我をして悔しい思いを持ちながらもサポートしてくれる金子に感謝。今回はポジションを争うライバルの分も戦い、自分がゴールを守って全国切符を獲得する意気込みだ。

 延長戦を含む100分間の戦いでは、好反応でシュートをセーブした一方でミドルシュートとPKによって2失点。鈴木雅人監督が「まだまだ判断が課題」と指摘する根本はこの結果にもちろん満足していない。本人も「裏の対応とか判断が悪いのが課題です」と自認。より信頼を得られるように課題を改善できるように努力を続ける。まずは今大会、あと1勝することに集中。仲間のためにも戦うGKは決勝へ向けて「チームの勝利に貢献できるように仲間と自分を信じるのみ」と力を込めた。

(取材・文 吉田太郎)

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