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[プレビュー]日本vsコロンビア スタートラインに立ったザックJ

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[6.24 ブラジルW杯C組 日本(日本時間25日5:00)コロンビア クイアバ]

 2試合を終えて1分1敗の日本代表が決勝トーナメントに進出するには、勝利が絶対条件のうえ、さらにコートジボワールがギリシャ相手に引き分け以下に終わる必要がある。他力の状況ながら、まずは自分たちが目の前の相手であるコロンビアに勝たないことには、道は開けない。

 コロンビアがすでに2連勝で決勝トーナメント進出を決めていることは、日本にとって数少ない好材料だ。これまでの2試合、同じ先発メンバーで戦っている南米の雄は、43歳のGKファリド・モンドラゴンの起用のほか、数名の入れ替えが予想されている。

 とはいえ、知将ホセ・ペケルマン率いるコロンビアはMFハメス・ロドリゲスを筆頭にタレントぞろいで、控え選手も充実している。同じ南米のブラジルで開催されているW杯とあって、過去2試合もサポーターが大挙してスタンドを埋め尽くした。ホームとも言える環境で下手な試合はできない。

 日本はそんなコロンビアに勝たなければならない。しかも、できれば2点差を付けて……。コートジボワールがギリシャに敗れれば、日本は勝ち点4でギリシャと並び、得失点差で2位を争うことになる。第2戦終了時点での得失点差はギリシャが「-3」、日本は「-1」。ギリシャが大勝しない限り、日本が有利な状況だが、コートジボワール対ギリシャが引き分けに終わった場合は、日本とコートジボワールが勝ち点4で並び、得失点差の争いになる。

 第2戦終了時点での得失点差はコートジボワールが「±0」、日本が「-1」。コートジボワールが引き分けの場合、得失点差は「±0」のまま変わらないため、日本はコロンビアに2点差以上で勝って「+1」以上にすれば、2位でグループリーグを突破できる。

 ただし、日本が1点差で勝った場合は、日本とコートジボワールが勝ち点4、得失点差±0で並び、総得点の争いになる。現時点でコートジボワールの総得点は「3」、日本は「1」。コートジボワール対ギリシャが0-0なら、日本は3-2以上で勝つなど、コートジボワールよりも3点以上多く点を取らなければならない。

 日本がコロンビアに勝ってコートジボワールがギリシャに敗れるか、日本が2点差以上で勝ってコートジボワールが引き分けるか……。いずれにしても、FW本田圭佑が「ミラクルは信じている者にしか訪れないと思っている」と話したように、まさに奇跡が必要なほど状況は厳しい。しかし、選手たちはわずかな可能性に懸け、チームを信じ、お互いを信じ合い、運命の一戦に臨もうとしている。

 アルベルト・ザッケローニ監督もまた、でき得る限りの手を打とうとしている。コロンビア戦3日前の練習を急きょ取り止め、選手にオフを与えた。夜にはチーム全員で宿舎を出て、イトゥ市内のレストランでブラジル名物のシュラスコを堪能した。これは功を奏したように見える。オフ明けのチームは明らかに声が出るようになっていたし、練習中の雰囲気も変わった。

 ミーティングでもコロンビアの情報を詰め込み過ぎるようなことはしなかった。必要なポイントを最小限に絞り、大切なのは自分たちだと説いた。初戦のコートジボワール戦前に相手のストロングポイントを強調した映像を見せ過ぎたために、選手たちが過度に相手をリスペクトし、警戒するあまりに“いれ込み”過ぎた反省があったからだ。

 FW岡崎慎司やFW大迫勇也からは「考え過ぎないように」という言葉が出た。岡崎は「ガムシャラに」、DF吉田麻也は「泥臭く」とも言った。頭で考え過ぎれば、体は動かなくなるし、プレーも判断もスピードが遅れる。その結果、さらに“自分たちのサッカー”から遠ざかる。悪循環を断ち切るには、一度、頭をリセットするしかない。今の日本代表は、その状態に近づきつつあるように思う。

 とはいえ、それでもようやくスタートラインに立ったということに過ぎない。100%の力を出し切ったとして、コロンビアに勝てる保証はない。だが、奇跡を起こすための最低条件はクリアできたかもしれない。遅きに失したか、まだ間に合ったのか。それは明日の結果を見てみなければ分からない。

■FIFAランキング
日本 46位
コロンビア 8位

■対戦成績
日本 1分1敗

■テレビ中継
テレビ朝日

(取材・文 西山紘平)

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