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[総体]注目対決は前橋育英が京都橘に4-0快勝!!

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[8.2 全国高校総体1回戦 京都橘0-4前橋育英 押原公園人工芝G]

 注目カードは思わぬ大差がついた。開始すぐに前橋育英高(群馬)を襲ったのは京都橘高(京都)が並べたスタメンの違和感だった。京都橘は米澤一成監督が「走れないので、前からプレッシャーをかける試合では70分持たないと思っていた。途中から出して、50分なり60分なりをフルでプレーさせた方が彼の良さは出る」と説明したように、背番号10を背負う日本高校選抜FW中野克哉(3年)を温存し、183cmの大型FW久田和歩(3年)を先発で起用。スピードのある相手を想定し、高さよりも速さを優先し、スタメンを選んでいた前橋育英に対し、久田を起点にしながら、脇からFW岩崎悠人(1年)がスピードのあるドリブルで相手ゴールに向かった。

 対する前橋育英はグループでの囲い込みで、決定機を防ぐと、素早く攻守を切り替え、U-18日本代表MF鈴木徳真主将、吉永大志(ともに3年)のダブルボランチが繰り出すパスを合図に攻撃を開始。FW青柳燎汰、MF関戸裕希、そしてU-18日本代表MF渡邊凌磨(全て3年)らアタッカー陣が斜めの動きでチャンスを作った。試合が動いたのは4分。自陣での奪ったボールを吉永が収めると、素早く右PAにスルーパスを展開。抜け出した渡邊凌が寄せたDFを切り返しでかわし、ゴール左隅に流し込んで前橋育英が先制した。

 前橋育英は戸惑いを見せた守備面でも10分に184cmのCB宮本鉄平(3年)を投入した事で安定。守備の余裕が生まれた事で、攻撃の持ち味も引き出され、サイドを攻め立て、次々とCK獲得に繋げる。11分には右CKのこぼれ球を関戸が左足で豪快に叩き込み、2点リードで前半を終えた。

 後半も前橋育英は勢いを落とさずに京都橘を押し込み、6分にはPA前でボールを受けた渡邊凌がゴール前に浮き球を配球。競り合いから、青柳がゴール左隅に流し込みダメ押し点を奪うと「あの一点で本当にきつくなった」(米澤監督)。体力と共に勢いが落ちた京都橘は「やらなあかんぞ!プライドを背負え!」などDF倉本光太郎(3年)が声を張り上げ、チームを鼓舞したが、勢いを取り戻せず、24分には渡邊凌に4失点目を喫し、そのままタイムアップの笛を聞く事となった。

 敗れた京都橘の米澤監督は「何も達成していないのに心のどこかに慢心があったと思う。この負けを機に、3年生がどこまで本気になってくれるかが選手権に向けて大事になる。これを良いきっかけにしてくれれば」と大敗を前向きに捉えた。

 一方、好発進した前橋育英の山田耕介監督も「暑さのせいもあるけど、ミスが多かった。連係で良い場面もあったけど、せっかくボールを奪ってもミスパスで無駄にする場面もあり、気になった」と内容面で不満を示した。だが、「7番(菊地匡亮)と11番(坂元達裕)も良いし、力はスタメンと変わらない」と評し、暑さによる消耗を避ける狙い通り、交代枠4枚を使い切る余裕も披露。「目標は橘に勝つ事だけだった。次の目標はないので、一つひとつ勝って行きたい」と山田監督は話すが、この日見せた戦いぶりは大会の中心になれるだけのポテンシャルを感じさせるものだった。


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