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[MOM1100]大津MF葛谷将平(3年)_東京から越境入学の主将がさばき、得点でも持ち味発揮

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.3 全国高校総体2回戦 大津高 2-2(PK5-4)立正大淞南高 韮崎市営御勅使サッカー場]

「得点した後に流れが変わってしまうのは、チームの悪い癖。2-0か、もう1点ダメ押しで取って勝ちたかったです。相手もそう簡単にはあきらめないと思っていましたけど、守備の甘さが出て、そこを突かれてしまった」

 鮮やかな左足ミドルシュートで2点目を決めた大津高MF葛谷将平主将(3年)は、その後に一転して相手のペースに持ち込まれた試合運びの甘さを反省した。声を出し、パスを呼び込み、精神面でもプレー面でも、キャプテンとして立て直しを図ったが、うまくいかないままPK戦へ。それでも1人目に蹴って確実に決め、勝利への流れを作った。

 苦しい展開を強いられた後半とは対照的に、前半は持ち味を発揮。オリジナルポジションのセカンドトップから頻繁にポジションを変え、巧みな位置取りやスペースに抜ける動きなどで、大津の狙いとするパスサッカーの中心になった。1回戦の浦和東(埼玉)戦は、1得点2アシストの活躍で5-0の大勝に貢献したものの、試合への入り方の悪さという課題が残った。試合後の夜のミーティングでは「いつも試合への入り方が悪い。前半の立ち上がりに、もっと集中してやろう」と伝え、それを実践するプレーで流れを呼び込んだ。

 熊本の中学校から東京の帝京高に越境入学した平岡和徳監督とは逆に、東京出身ながら大津へ越境入学した。中学時代は府ロクジュニアユースでプレー。ヴェルディユースのセレクションに合格していたが、本人には「高校サッカーでプレーしたい」との思いがあった。大津との縁は、父が某民放テレビ局のスポーツ番組のプロデューサーで、その番組に平岡監督が出演したことがきっかけ。最終学年となった今年度はキャプテンを任され、平岡監督は「九州男児よりも、九州男児の顔をしている。今日はパスをさばくプレーでも、得点でも持ち味を発揮してくれた」と、冗談を交えながらプレーぶりを評価した。

 3回戦に向けて「相手がどこでも、やることは変わらない。自分が持っているプレーを精一杯出して、自信を持って戦いたい」と決意を込める。「大津に来て、本当によかった。スタッフの方々も、去年、一昨年の先輩たちも良い人ばかり。メンタル面などで成長できたと思います」。この後も勝ち進んで優勝に導くことができれば、自らの力を引き上げてくれた母校への、この上ない恩返しとなる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』) 

(取材・文 石倉利英)
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