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[総体]“FW失格”宣告からCBとして成長、小笠原中心の守りで東福岡が鹿実の反撃かわす

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[8.6 全国高校総体準々決勝 鹿児島実高 2-4 東福岡高 韮崎中央公園陸上競技場]

 東福岡高は現在、右から堀吏規伸小笠原佳祐加奈川凌矢、そして末永巧(全て3年)の4バック。レオーネ山口U-15時代もチームメートだった堀、小笠原、末永の3人はいずれも中学時代アタッカーで前線に並んでいたという経歴の持ち主だ。この日は鹿児島実の191cmFW前田翔吾相手にゲーム主将の小笠原と加奈川が空中戦で必死に対抗すると、堀と末永もサイドの攻略を狙う鹿児島実アタッカー陣と激しい攻防戦を演じて勝利に貢献した。

 特に小笠原は1月の高校選手権後にCBへコンバートされた選手。2年時にFWとして高円宮杯プレミアリーグWESTにも出場していたが、「このままでは出られないぞと(森重)監督に言われたので。それが相当ショックで『それなら』と。究極(の選択)っすね」と本人は苦笑するが、結果的にCBに挑戦したことが、小笠原自身を注目されるようなDFに変え、チームの守備力向上ももたらしている。「自分、あんま上手い方じゃないので、ヘディングは人よりもできるかなと思いますけれど」と謙遜するが、背番号5は守備範囲が広く、前への強さを発揮。大型CBの加奈川とともに最終ラインの中央で強力な砦を築いている。

 そして小笠原のもうひとつの特長は声。味方を鼓舞する声に加えて「言われたんですよ。報道陣の人が笑っていたと。試合中は気持ち入り過ぎて覚えていないです」と説明する大声を発しながら繰り出すヘディングは、勝利への思いの強さをとても表現している。チームはDF陣の健闘もあって快進撃を続け、17年ぶりの準決勝進出。「(自分は)リーダーシップしかないと思っている。声だけ出して頑張りたいと思います」という元FWのCBが、頂点へ向けて仲間たちを鼓舞し続け、東福岡の守備をより強固なものとする。

(取材・文 吉田太郎)
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