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6戦ぶり勝利を御嶽山噴火で亡くなったサポーターに捧げる松本 反町監督

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[10.4 J2第35節 横浜FC0-2松本 味フィ西]

 ほぼ完璧な試合運びで2-0の勝利を収めた松本山雅FC。試合後の会見に現れた反町康治監督は、第一声で「今日の勝利をこの前、御嶽山の噴火で残念ながら亡くられた、われわれのサポーターである野口泉水さんに捧げたい」と切り出した。

「コンサドーレ戦の前の日に、災害が起きてしまい、そのコンサドーレ戦もチケットを持って見に来る予定だったと聞いていました。われわれみたいなチームは、そういうサポーターに支えられています。非常に悔しい気持ちと同時に、天国で喜んでいただけるように残り試合、少なくなりましたが、頑張って行きたいと思います」と、神妙な面持ちで語った。

 快進撃を見せていた松本だが、9月に入り5戦未勝利と結果を残せず。この試合前には、3位の磐田に勝ち点5差まで詰め寄られていた。前節の札幌戦(1-2)終了後には「良いオクトーバーにしたい」と宣言していた指揮官だが、「全体的に、われわれらしさが出せたと思います」と、試合を振り返ったように、この日の内容には好感触をつかめたようだ。

 9月の足踏みについて、精神的なプレッシャーが要因かと問われた指揮官は、「試合の前日しか来ないようなメディアが、前々日も、3日前も、4日前も来るようになってから、意識しだしたかもしれない。あるとしたら、あなた方のせいですよ」と冗談を飛ばしてから、「そういうプレッシャーは、僕はないと思っています」と、切り返した。

「僕はプレッシャーをまったく感じていません。僕がそうしたプレッシャーを感じる姿を見せると良くないので。今までどおり、いつも通りの顔をしてサッカーをすること。練習をすること。ただし、9月はあまり良い月ではなかったので、選手たちの前で、もう少しギアアップしていかないといけないという話はしました」

 悪い流れを払しょくするために、前節で先発したMF玉林睦実をベンチ外にするなど、メンバーにもテコ入れをした。指揮官は「かなり新たな状態をつくって、練習をしてきたつもりです。もう一回、しっかり見直そうというふうに、練習前に選手たちにも少しきついことをいって、選定の理由もはっきりさせました。緊張感を少し持たないといけないということで、メンバーを変えた部分もあります」と明かし、「少しずつ、みんな責任感を持ってやれるんじゃないかと思います」と続けた。

 だが、これで悪い流れを完全に払しょくできたと思ってはいけないと気を引き締める。「この後、また次、全然ダメになることもある。だから、サッカーは面白いんです。(今日は)良い流れのときに、しっかり勝てたのと、ゼロで抑えることができた。そこは良かったし、次につながるところだと思う」と、この日の戦いぶりを継続することが肝要だと強調した。天国からチームを見守ってくれている野口さんのためにも、まだまだ満足するわけにはいかない。

(取材・文 河合拓)
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