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カズのヘッドはクロスバーも…横浜FCが奥氏の追悼試合で栃木に快勝

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[10.19 J2第37節 横浜FC 3-0 栃木 ニッパ球]

 J2は19日、第37節を各地で行い、13位の横浜FCと15位の栃木SCがニッパツ三ツ沢競技場で対戦した。試合前、勝ち点45で並んでいた両チームの一戦は、3-0でホームの横浜FCが勝利した。この試合、ベンチ入りしたFW三浦知良は後半43分からピッチに立ち、自身の持つJ2最年長出場記録を47歳7か月23日に更新。アディショナルタイムにはCKからヘディングシュートを放ったが、クロスバーに嫌われて、惜しくも今季初ゴールにはならなかった。

 キックオフ前には、10月17日に事故で亡くなった横浜FCの元選手、元テクニカルアドバイザーの奥大介氏への黙とうが捧げられ、横浜FCのゴール裏からは故人のチャントも歌われた。奥氏の追悼試合でもある一戦、3連敗中での横浜FCは、2試合連続先発のFW黒津勝が序盤から気を吐く。開始早々のミドルシュート、前半7分にもセットプレーからヘッドでゴールを狙う。迎えた同10分には、セットプレーからMF安英学のシュートのこぼれ球を黒津がゴールに押し込み、チームに先制点をもたらした。

 その後、試合は膠着したが前半28分、MF野崎陽介の縦パスに反応した黒津が、最終ラインの裏を抜け出す。GK鈴木智幸と1対1になり、ドリブルで抜こうとしたところ鈴木の手が黒津の足に掛かる。ボールが倒れかけた黒津の右足に当たると、そのままゴールに転がり込み、横浜FCがリードを2点に広げた。

 攻勢の横浜FCは33分にも、高い位置でボールを奪うと、野崎のサイドチェンジをDF永田拓也がヘッドで折り返す。これを受けたMF松下年宏が、浮き球をコントロールして左足のボレーシュートに持ち込んだが、GK鈴木に抑えられた。同36分には中盤でボールを奪った野上がスペースに縦パスを入れる。これを受けた黒津がドリブルで仕掛けると、背後からMF本間勲に倒された。PAのすぐ外で得た直接FKから、松下年がゴールを狙ったが、わずかに左へ外れて行った。

 栃木も左SH 近藤祐介と右SH湯澤洋介を入れ替えるなど、人の配置を変えながら横浜FCの守備を崩そうする。前半アディショナルタイムには、左SB荒堀謙次が浮き球で送ったスルーパスがFW西川優大に通ったが、GK南雄太の好セーブに阻まれる。こぼれ球を回収した荒堀の速いクロスも、DF野上結貴が体を張ってブロック。横浜FCが2点をリードしたまま、前半を終えた。

 後半に入っても、2点を追う栃木はなかなかシュートに持ち込めない。後半16分にようやくFW廣瀬浩二が遠い位置から左足でゴールを狙ったが、大きく枠を外れて行った。直後の17分、栃木は西川を下げて、FW杉本真を投入する。21分には、DF山形辰徳から廣瀬へパスが出るが、わずかに合わなかった。

 栃木のボール保持率が上がって来た後半21分、横浜FCも最初の選手交代で野崎に代えて、MF佐藤謙介を起用する。同25分には横浜FCが中盤でボールを奪い、MF寺田紳一のパスを受けた黒津がゴールを狙うが、GK鈴木に阻まれる。それでも後半31分、横浜FCは栃木の守備を崩しきり、黒津からのパスを受けたMF小池純輝の折り返しをゴール前でフリーになっていた寺田がゴールに蹴り込んだ。寺田は喪章を天にかざして、奥氏へ追悼の意を示した。

 点差を広げられた栃木は、湯澤をMF西澤代志也に代える。37分には荒堀が強烈なミドルシュートを放ったが、GK南にパンチングで防がれた。直後には横浜FCもチャンスをつくり、安英学の縦パスから黒津が右サイドを抜け出したが、右足でのクロスは中央でフリーになっていた小池に通らなかった。

 栃木は39分に最後の交代枠で近藤を下げて、MF永芳卓磨を起用する。横浜FCは後半43分に小池と寺田を下げて、MFナ・ソンスとFW三浦知良をピッチに送り出した。アディショナルタイムにカズは、CKからヘッドでゴールを狙ったが、クロスバーを叩き、自身の持つJ最年長ゴール記録更新は、惜しくも更新できなかった。それでも横浜FCは3-0で勝利し、7試合ぶりに勝ち点3を獲得した。

(取材・文 河合拓)
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