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[早スポ]悔しい勝ち点1、遠のいた首位の背中

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)もいよいよ終盤に差し掛かり、優勝争いはさらにヒートアップ。この日の対戦相手は首位を走る順大。トップとの勝ち点差を考えても絶対に負けは許されない。勝つしかないと強い気持ちを持って臨んだ早稲田大(ワセダ)。しかし前半は思うように自分たちのプレーに徹することができなかった。それでも後半は流れを引き寄せると、終始相手を圧倒。チーム一丸となって必死に攻め立てるが、あと一本が出ずに0-0で試合終了。辛くも同点となった。

 出だしからシュート意識の高さを見せ付けたワセダ。積極的にゴールを狙い攻勢をかける。そうして試合を有利に進めていたが、徐々に押され始めてしまう。ボールを奪ってから素早く縦へと展開し、得点を奪いにくる順大。ここで活躍したのはGK松澤香輝副将(4年=流通経済大柏高)だ。26分には、バイタルエリアからの強烈なミドルシュートを、伸ばした右手でなんとか触り枠の外へとそらすビッグセーブ。最後列からチームを支える。攻撃陣もこれに応え奮闘。終盤にはゴール前で左右に大きく揺さぶり、空いたスペースに切り込む場面も見られたが、詰めの甘さかシュートを打つまでには至らなかった。そのまま0-0で前半を終える。

 後半も立ち上がりはペースを握られるが、中盤絶好のチャンスを迎える。63分、MF近藤貴司(4年=三菱養和SCユース)が快足を生かし中央を切り裂くと、右サイドを独走していたDF新井純平(2年=浦和ユース)にパス。グラウンダーのクロスを受けたのは再び近藤貴。インサイドでうまく合わせたが、相手ディフェンスに弾かれ惜しくも得点とはならなかった。だが、このプレーで流れはワセダに。この後69分、79分と立て続けに相手キーパーと1対1になる場面をつくるも、これは好セーブに阻まれた。残り時間10分を切ってゲームはさらに白熱し、気持ちと気持ちがぶつかり合う。勢いのまま押し込みたいワセダと逃げ切りを狙う順大。怒涛(どとう)の猛追を仕掛けるも、順大の安定した最終ラインを崩せず無念のタイムアップ。試合後、MF近藤洋史主将(4年=名古屋U-18)も「シュートを打ちながらそれを決めることができなかったことが、この結果につながってしまった」と悔しさを口にした。


 前節の流通経大戦(●0-1)に続き、2試合連続で無得点に終わった。リーグ戦も残り3試合、待ち受けるのはいずれも強豪ばかり。この一戦で優勝はより厳しい状況となったが、巻き返しの可能性がなくなったわけではない。「とにかく前向きに目の前の勝利に向かってやっていきたい」(MF堀田稜、3年=浦和ユース)。エンジイレブンの闘志は燃え尽きていない。ここからが正念場。上を目指す挑戦は、まだ終わらない。

[写真]3本のシュートを放った近藤貴

(記事 佐藤凌輔、写真 桝田大暉、大森葵)

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