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[選手権]苦難の末の初優勝…星稜DF鈴木「最高のチームのキャプテンをやらしてもらった」

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[1.12 全国高校選手権決勝 前橋育英高 2-4(延長)星稜高 埼玉]

 悲願の初優勝を遂げた星稜高(石川)。「最高のチームのキャプテンをやらしてもらったので、最高の気分。やっと優勝ができて嬉しい」とDF鈴木大誠(3年)は声を弾ませた。決勝では2失点を喫したものの、鈴木を中心とした星稜守備陣は大会を通して安定、優勝までの5試合を3失点で終えた。CBとして全試合フル出場をはたした鈴木は、決勝戦後に発表された大会優秀選手に選出されている。

 優勝を成し遂げ、大会前に事故によってチームを離れた河崎護監督への感謝を口にする星稜イレブンだが、「監督に反発する選手がいて、監督と心が離れていた時期」だったと鈴木が回想するのは、県大会準決勝前日だ。河崎監督からチームのために戦っていないと、チーム全体が激しく叱責された。「自分たちが優勝という目標を立てたのに、監督が一番熱く取り組んでくれていた。監督がそこまで自分たちのことを考えていてくれているのに、何で自分たちはしょうもないプレーをしているのかと感じました。その後、3年生だけで話したときには、監督がこれだけ熱いものを伝えてくれているんだから、自分たちもそれに応える熱いプレーをしないと」と誓い合ったという。

「去年を越えるまとまりがないと、去年のチームを越えられない」。チームをひとつにすることに腐心する鈴木キャプテンは、理想のキャプテン像として、準優勝した昨年度のチームを牽引した、1学年先輩の寺村介の姿をイメージした。「寺村君に憧れましたけど、寺村君みたいに一人でグイグイ引っ張っていけるタイプではない」。鈴木は自らをそう分析するが、そこをカバーしてくれたのはチームメイトだった。「去年(選手権を)経験した平田(健人)、森山(泰希)、原田(亘)、前川(優太)のおかげで、去年のようなチームワークが大切だということを広げられた。4人には感謝しています」。

 試合後のテレビインタビューでは、河崎監督への想いが募って涙が溢れた。一転、ミックスゾーンでは笑顔で応じた。「監督が復帰して話す機会があれば、選手権のことを話して、大学へ向けてのアドバイスをもらいたい」。監督、そしてチームメイトへの感謝を胸に、大会屈指のCBは春から筑波大学へと活躍の場を移す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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