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選手権準Vの前橋育英主力組も1次通過!新たに10選手が「NIKE MOST WANTED」ジャパンファイナル進出!!

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 世界で戦える若き才能を発掘する世界的なスカウトプロジェクト、「NIKE MOST WANTED」(昨年までは「NIKE CHANCE」として実施)の関東セレクションが25日、埼玉県のレッズランドで開催され、19歳以下の72選手が挑戦。今月12日に決勝が行われた全国高校サッカー選手権で準優勝した前橋育英高(群馬)で主力を担ったFW関戸裕希とMF小泉佳穂をはじめ、V川崎(現・東京V)のGKとして活躍した藤川孝幸氏を父に持つGK藤川誠人(桐蔭学園高)、MF阿部貴憲(無所属、元SVザントハウゼン)、DF飯村惣駿(水戸桜ノ牧高)、GK片山淳介(神奈川大附高)、FW木村佑之介(無所属、日本大学在学中)、FW佐藤翔生(前橋育英高)、FW染谷由来(大森FC)、DF滝谷直斗(生田東高)の10選手が2月21日に横浜みなとみらいスポーツパーク(神奈川)で開催される「ジャパンファイナル」への進出を決めた。

 昨年12月に行われた「キックオフセレクション」からスタートして、この日の関東セレクション、そして関西セレクション(2月8日、J-GREEN堺)と計3回開催される1次選考会。その第一関門を勝ち抜いた選手たち、そして日本各地を訪問するナイキスカウトの推薦を受けて参加権を得たプレーヤーと戦う「ジャパンファイナル」で勝者2名に選出されれば、今年4月末からイングランド代表の本拠地あるセント・ジョージズ・パークで開催されるトライアウト「NIKE MOST WANTEDグローバル ファイナル」への出場権を獲得し、海外でプロになる夢へ近づくことができる。「自分の実力を試す上でいいかなと。機会があればやろう、応募しようと思いました」という関戸や、「(海外で)自分の実力がどこにあるのかだったり、どこまで通用するのかというのは試したい気持ちがあります」と語る藤川、「海外へ行きたいと思っている。海外へつながる機会になる」と意気込む飯村ら海外への夢や力試しのために集まった選手たちの競争は白熱。スペイン人コーチのジョセップ・フェッレスカウトと櫛山匠スカウトが「本当に難しかった」と口をそろえたように選考は難航した。その中でスキルの高さと強いリーダーシップを見せていた藤川や抜群の走力、突破力を発揮した飯村ら実績、知名度関係なく、この日のパフォーマンスでスカウト陣へのアピールに成功した10名が関東セレクションを突破し、世界へ前進した。

 基礎技術のチェックや3対2からのシュートなどのメニューを約1時間行った選手たちはその後、AからHまでの8チームに分かれて2面のコートで約20分間の9対9ゲームを繰り返し実施した。CチームとDチームが戦った1本目は開始直後にDのMF岩本蒼始(FC GOIS)がゴールを決め、7分には左CKからファーサイドのMF佐野裕哉(Football Tryout Academy)が頭で折り返してMF市原龍太郎(Football Tryout Academy)がゴールへ押し込む。またAチームとBチームとの戦いではAの小泉がタイミングのいいインターセプトからチャンスを演出し、一方ではBの阿部やDF田村慧(東洋大牛久高)が鋭い仕掛けからゴールを脅かす。続いて行われたH対Gでは選手権宮城県予選で大活躍したHのMF佐々木優(宮城県工高)が得意の左足から素晴らしいサイドチェンジを連発。また無名の大型CB滝谷が「周りが凄く上手いので圧倒された」と言いつつも「自分以外は潰すと言うコンセプトでやった」と迫力あるディフェンス、また片山が1対1をビッグセーブするなどアピールする。
 
 そのほか、2年時に全国選手権を経験しているFW雪江悠人(修徳高)や昨秋の選手権神奈川予選準決勝でゴールを決めている厚木北高MF芳賀航馬らも参加する中、次々と行われたゲームでは茨城の名門・鹿島学園高の司令塔、MF金子修羅がインターセプトからアウトサイドキックでスルーパスを通し、FW細合力フォスター(柏日体高)が身体能力の高さを活かしたボールコントロールから豪快にゴールを破った。またMF坂田風歩樹(実践学園高)が的確なポジショニングでセカンドボールを回収し、MF相原圭吾(聖和学園高)は巧みな足技を披露、そしてFWノブレガブリエル源(前橋育英高)やDF舛元桂樹(獨協大)ら大学生たちは力強いプレー。特に大学生では「今、チームには所属していないんですけど、サッカーをやりたい気持ちと上を目指したい気持ちががある。気持ち、気合では負けたくない」とサッカーを諦めずに強い想いで挑戦してきた木村の気迫と技術の高さを絶賛する関係者もいた。

 2試合、3試合と行ううちにチームとしての結束、コンビネーションも高まり、好プレーが増えていく。FとHとの一戦ではスルーパスで抜け出したHのMF菅野裕磨(柏日体高)が勝ち越しゴールを決めれば、FはFW宮崎亮(柏日体高)との絶妙なワンツーからFW檜山猛(柏日体高)が決め返す。個々のアピールはもちろん、チームとして勝負にこだわる姿勢も見えた。ただ、櫛山スカウトは「(セレクションという場で)一番は自分の持っているものを出しているか。コーチに好かれようというプレーをしている選手が多い。無難なプレーを選んでいる」と残念がる。もちろん、自分本位のプレーだけでは勝ち残ることはできない。その中で佐藤が「自分のファーストプレーだったので、必ずシュートで終わりたかった。中を見たらDFが結構固まっていたので左足で狙った」とチャレンジしたロングシュートのような思い切ったプレーや、片山が「注目させようと思っていました」と自慢のコーチングを存分に発揮するような姿勢もあったが、スキルがありながらも似たタイプの選手が多い中でスカウトの目に留まるようなアピールをした選手が少なかったことは残念だった。

 持ち味を出し切ることができなかった選手たちがいた一方、選手権の全国舞台で躍動した関戸と小泉は次のステージへの切符を獲得した。「最初は全然ミスが多くて、連係が難しかった」と振り返る関戸は序盤、決して高い評価を得ていた訳ではないが、「周りも活かしながら最後自分で打開もできるように」と終盤は圧倒的なパフォーマンス。最後のゲームでは相手のわずかなミスを逃さずにDFを振り切って鮮やかな右足ループシュートでスカウト陣、関係者を唸らせた。また全国高校総体優秀選手の小泉も中盤で最高級の評価を獲得。「本当に完ぺきな、納得のいく内容ではなかったんですけど、自分のいいところは出せたかなと思います」とまずは第一関門突破を喜んだ。

 合格者発表でフェッレスカウトは、参加した各選手の取り組む姿勢を讃えたあと、「もちろん、才能というのも大事。それだけじゃなくて、どれだけ賢い、スマートな選手なのか。周りの選手よりもどれだけ速く考えてできるか、強さとか速さとか身体能力を持っているか、あとは1チームとして考えた時にチームワークの面で見ています。チームによってはFWが多かったり、中盤が多かったりする中でいろいろなポジションが出来るか、またフィットしているかを見てきました」と選考のポイントを説明。落選した選手たちへ向けて「みんな悔しい思いをしていると思うけれど、これで終わったわけじゃない。サッカーを愛してサッカーを続けていくこと。そうすればいつかチャンスも来ると思うので頑張ってください」とエールを送った。

 櫛山スカウトは最後の1次選考会となる関西セレクションに挑戦する選手たちへ「自分の特長を見せて欲しいです。それが全てだと思います」とメッセージ。実力派の参戦によって国内選考会も年々レベルが上がってきているこのスカウトプロジェクトで自分の持ち味を最大限に発揮することを期待した。この日、関東セレクションを突破した選手たちにとっては世界まであとひとつ。所属チームでの活動に加え、NIKE FCでも力を磨いてきた染谷は「自分の強みを出して周りを気にせずにやるしかない。自分を出して上に行かないといけない。プロを目指す上で必要なこと」と語り、ドイツでのプレー経験を持ち、海外への強い意欲を見せる阿部は「自分の特長のドリブルを出せる。最終的にはゴールを獲れるように意識してやっていきたい」と「ジャパンファイナル」突破を誓った。彼らと対峙する選手が2月8日の関西セレクションで新たに決まる。

[写真]関東セレクションを突破した10名。左から片山、阿部、木村、藤川、小泉、佐藤、関戸、染谷、飯村、滝谷
 
(取材・文 吉田太郎)


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