[3.30 ミズノカップIN香川予選リーグ第3節 興國高 1-0 玉野光南高 瀬戸大橋記念公園球技場]

　第3回ミズノカップU-18 IN うどん県(香川)2015は30日午後、予選リーグ最終節を行い、興國高(大阪)がFW小國憲弥(新3年)の決勝ゴールによって玉野光南高(岡山)1-0で勝利。興國は予選リーグ3戦全勝で決勝トーナメント進出を決めた。

　立ち上がりから非常に厳しいチェックを見せる玉野光南とそれをギリギリでかわして前進していく興國。見ごたえある攻防戦となった序盤、興國がリードを奪う。11分、MF音田聡ノ介(新3年)を起点とした攻撃からFW武村萌生(新3年)がわずかなギャップを射抜くスルーパス。左中間を抜け出した小國の右足シュートはGK栗尾純平(新3年)のビッグセーブに阻まれたものの、立て続けにチャンスをつくる興國は13分、FW中野勝太(新3年)が右サイドを豪快な突破で破る。この折り返しは合わなかったものの、ファーサイドで拾った小國が上手くボールを持ち変えると左足一閃。弾丸ライナーの一撃がゴールへ突き刺さった。

　興國は19分にもカウンターからMF宮城和也(新3年)のパスで右サイドを突いた中野が絶妙なグラウンダークロス。だがフリーで走り込んだ小國の右足シュートが枠の上へ外れてしまう。逆に玉野光南も最終ラインでCB西中竜斗とCB塩田晃大(新3年)が踏ん張ると、強さと絶妙なタッチでポストプレーをするFW土居晃貴(新3年)を起点に反撃。MF塩田奨馬(新3年)のキック、そしてロングスローとセットプレーから西中や左SB有吉亮稀(新3年)がゴールを目指し、ポスト直撃のシュートを放つなど同点機を作り出した。

　だが、宮城の決定的なヘディングシュートや武村のアイディアあるドリブルとラストパス、MF高原大知(新3年)の配球などで攻める興國は追加点こそ奪えなかったものの、相手に得点を許さずに1-0で勝利。準決勝進出を決めた。

　興國は年代別日本代表や日本高校選抜に選出されたCB北谷史孝(現横浜FM)やFW金容輔(現神戸)を擁した2年前ほどずば抜けたタレントはいないが、それでも注目FW武村や宮城、高原をはじめ、今年は非常に選手層が厚い。内野智章監督も「タレントがいる訳じゃないけれど、平均値は過去最高に高い」と自信を見せる世代だ。

　12年、13年に2人ずつJリーガーを輩出するなど育成チームの印象が強いが、今年は全国進出の可能性も十分。激戦区・大阪を勝ち抜く力がある。武村は「全国は確実に出たい。狙っています。自分たちのパスサッカー、ふつうだったら蹴るところを繋いだりするところを全国で見せたい」。決定力の課題や守備の不安はまだある。その課題をクリアして初の全国出場へ。今回のミズノカップで勝負強さを身に着けて、優勝して大阪へ帰る。

(取材・文　吉田太郎)

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