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[全日本大学選抜]招集外を乗り越え…這い上がってきたMF端山が結果残す

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[4.22 強化試合 全日本2-1浦安 西が丘]

 這い上がってきたMFが結果を残した。全日本大学選抜の慶應義塾大MF端山豪(4年=東京Vユース)が浦安との強化試合(2-1)でゴールを決め、その存在をアピールした。

 昨年9月に追加招集されたU-21日本代表との強化試合を最後に全日本大学選抜から遠ざかっていたが、今年3月のバルセロナ遠征で選抜チームへ“復帰”。出場時間こそ長くはないものの、持ち前の技術を武器にアピールを続けると、7月のユニバーシアード登録メンバーの当落線上までに浮上してきた。最終メンバーは5月上旬に発表され、現在の27名から20名へ絞られることになる。

 同選抜の神川明彦監督は端山について、「(昨年3月の)タイ遠征からフィットしなくなり、去年の慶應でのプレーを見てみても高いレベルではないと感じて、ここまで呼ばなかった」と明かし、「今季は関東B選抜で結果も出して、リーグ戦では慶應でいいプレーを続けている。高いレベルに到達しているなと今回再招集しました」と説明した。

 この日の指揮官の狙いは「トップ下で十分に出来るんじゃないかと探りました。岡や澤上とやったときに、どれだけフィットできるか」だったという。

 1本目と3本目に出場した端山は、4-2-3-1システムのトップ下でプレー。FW岡佳樹(桃山学院大3年=東山高)の後方へ入った1本目は、なかなか好機をつくれずも、2トップのように高い位置へ入るなど積極的なプレーもみせた。3本目も再びトップ下でプレー。FW澤上竜二(大阪体育大4年=飛龍高)の後ろでチャンスメイクした。

 3本目の終了間際の27分には、右サイドを駆け上がったDF室屋成(明治大3年=青森山田高)の折り返しを受ける。反転した端山は、勢いそのままにシュートを放った。角度のない位置からの一撃はゴールネットを揺らした。「僕らしくないゴールだったと思う。テクニカルではないし、自分でも詰まったのでマズいかなと思ったが決まって良かった」と端山は笑顔で振り返った。

 最後の選考会となった一戦。端山は「ユニバ最後の選考会で自分の良さを出すのはもちろんですが、チームのコンセプトに沿ったプレーを意識した」と話し、「攻撃や得点、アシストが自分には求められているところ。そういう意味では最低限はできた」と自己評価を語った。

 またこの日は、対戦相手のブリオベッカ浦安に小学生時代からともにボールを蹴り続けてきたDF田中貴大の姿もあった。同じ年の2人は東京Vユースで共にプレーした後、端山は慶應義塾大へ進学。田中は東京Vへトップ昇格後、2013シーズンは町田へ期限付き移籍し、昨季は東京Vでプレーするも契約満了で退団。今季からは関東1部の浦安でプレーをしている。

 互いに違うユニフォームを身にまとい、ピッチで再会した二人。田中は「いい意味で、豪はやっぱり豪でした」と笑顔。端山も「久しぶりに貴大がやっているのを見て、いい刺激を受けたし、貴大は僕たちを見ていい刺激になったと思う。これからもお互いに刺激し合ってやっていければ」とかつての盟友との再会を喜んでいた。

(取材・文 片岡涼)

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