[4.25 高円宮杯プリンスリーグ東海第3節 中京大中京高 2-0 四日市中央工高 名古屋市港サッカー場]

　高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プリンスリーグ東海は25日、第3節を行い、中京大中京高(愛知)と一昨年の選手権で4強入りした四日市中央工高(三重)が対戦。前半に奪った2ゴールによって中京大中京が2-0で勝利した。

　開幕からまさかの2連敗。スタートダッシュに失敗した中京大中京だったが、この日は狙い通りのゲームプランで今季、初白星を掴んだ。序盤にチャンスを作ったのは四中工だった。まずは開始5分、MF上田航大が後方からのロングボールに反応。相手DFの背後へ抜け出し、シュートを狙ったが、これは左ポストに直撃した。四中工は続く6分にもPA右外でFKを獲得。FW小林颯がゴール左下を狙ったが、またしてもポストに拒まれた。

　立て続けにビッグチャンスを得た四中工だったが、樋口士郎監督が「中京の思惑通りのゲームになったと思う。ウチを攻めさせ、カウンターを狙うという図式にまんまとハマってしまった」と振り返ったように中京大中京としては想定内の試合展開。運を味方につけながらではあったが、DF石川将暉主将を中心に守備陣が粘り強い守りで局面を凌ぐと、奪ってからは素早く攻撃に移り、チャンスを伺った。

　12分には自陣から素早く展開したボールを前線でFW柳完治が受けてキープ。FW水口豪ら2列目からフォローに入った選手を使おうとしたところを相手DFに倒され、PKを獲得すると、これをMF辻星哉がきっちり決めて先制した。さらに26分には自陣でのボール奪取から石川が前線へ長いパスを配球。DFを背負った柳が後方に落とすと、走り込んだMF福山大貴が豪快なミドルシュートをゴール左に突き刺し、リードを広げた。

　後半に入ってからも攻める四中工、カウンターを狙う中京大中京という構図は変わらず。中京大中京は後半6分に、後方からのフィードに反応した水口がゴール前に抜け出し、左足シュートを狙ったが、GK五十部泰造が足でブロック。こぼれ球を福山がボレーで押し込もうとしたが、素早く起き上がった五十部によってCKへ逃げられた。19分には四中工。MF木下史也が右サイドから中央に切り込み、シュートを狙ったがバーに直撃。その後も四中工が攻撃を仕掛けたが、守備を固めて逃げ切りを狙った中京大中京を崩すことができず、2-0でタイムアップを迎えた。

　中京大中京は前半に続き、後半も堅守からロングボールを展開。気温も23℃まで上昇し、汗ばむ陽気となった環境は、選手たちにとって過酷な状況だったが、「ウチは毎年、走り負けることがあまりない」と岡山哲也監督が胸を張る持ち前の走力が光った。加えて、昨季の選手権の2回戦で米子北高(鳥取)相手に押し込みながらも決定力不足に泣いたことを踏まえて、よりゴールに向かう意識を徹底。水口ら前への推進力のある選手を活用した戦いを目指す中で見せたこの日の戦いぶりは2つの持ち味が発揮されていた。四中工から挙げた1勝は苦境を脱するだけでなく、方向性が間違いでないことを示す重要なモノだったに違いない。

[写真]中京大中央は辻のゴールなどで勝利

(取材・文　森田将義)