beacon

「監督の指示」でPK蹴った小笠原、J1新記録の17年連続得点も…

このエントリーをはてなブックマークに追加
[5.16 J1第1ステージ第12節 鹿島2-2広島 カシマ]

 悔やまれる形と流れからの2失点だった。鹿島アントラーズは後半6分、味方からバックパスを受けたGK曽ヶ端準のコントロールが大きくなったところをFW佐藤寿人に奪われ、先制点を献上した。

 この日が史上7人目となるJ1通算450試合出場の節目の一戦だった守護神は「キーパーとしてやってはいけないプレーだった。(佐藤がいるのは)もちろん分かっていたし、スピードに変化を付けてきたのも分かっていたけど……」と唇をかむ。

 それでも後半17分にMF土居聖真がPKを獲得すると、ボールを手に持ったMF柴崎岳のところにMF小笠原満男が近づいていき、ボールを託された。「監督の指示だったので、指示に従った」と柴崎。キッカーを務めた小笠原は冷静にゴール右へ流し込み、1-1の同点に追いつくと同時に、自身の記録を更新するJ1リーグ17年連続ゴールを達成した。

 後半23分にはFWジネイのデビュー戦ゴールで2-1と逆転に成功した鹿島。ところが、そのわずか1分後に追いつかれた。広島はMF青山敏弘の縦パスをFW浅野拓磨が流し、ゴール前に抜け出したMF柴崎晃誠が左足でゴール右隅に蹴り込んだ。

「あの2失点目が一番やってはいけないこと」。DF昌子源は「自分の対応はどうだったのか」と、2失点目の場面を悔やむ。浅野に対してDFファン・ソッコが食いついたが、「浅野は(ボールに)触ったのか、触ってないのか」(昌子)と、ほぼスルーの形でボールが流れ、2列目から柴崎晃がフリーで飛び出してきた。

「柴崎さんのことは視界に入っていたけど、反応が遅れてしまった」。前節のF東京戦(1-0)で今季公式戦16試合目にして初の無失点に抑えたが、この日はミス絡みで2失点。昌子は「あの1点がチームの勢いを消してしまった。本当ならうちが3点目を取りに行くべき流れだった」と、勝ち越した直後の失点が悔やんでも悔やみ切れない様子だった。

(取材・文 西山紘平)

[J1]第1ステージ第12節2日目 スコア速報

TOP