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[総体]プリンス勢同士の福島決勝は尚志が接戦を制し、6年連続全国へ

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[5.31 全国高校総体福島県予選決勝 学法石川高 0-1 尚志高 とうほう・みんなのスタジアム]

 31日、平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(8月、兵庫)の福島県予選決勝が福島市のとうほう・みんなのスタジアムにて行われた。

 決勝に勝ち上がったのは昨年高校総体、高校選手権で全国ベスト16となり、今年のプリンスリーグ東北も優勝争いに絡んでいる強豪の尚志高。準決勝では宿敵・富岡高との対決を延長戦で制し、決勝の舞台まで登りつめた。もう1チームは今年プリンスリーグ東北に初昇格し、昨秋の福島県新人大会で優勝している学法石川高。プリンスリーグ東北では苦戦が続いているが、攻守に組織的なサッカーを見せるチームで、準決勝で帝京安積高に勝利して決勝進出を果たした。プリンスリーグ東北で戦う両チームが決勝の舞台で激突した。

 試合は1点をめぐるシビアな攻防となった。「昨年はずっと引いて守っていたが、今年はそうしたくなかった。ボールを獲りに行くサッカーがチャンピオンに通じるか試したかった」と稲田正信監督が語る通り、序盤は学法石川が高い位置でボールを奪って素速くゴール前に向かった。一方の尚志も徐々にボールを支配する時間が長くなり、決定機は作るがなかなかゴールを奪えない。31分にはセットプレーのこぼれ球をMF佐藤凌輔(3年)が拾ってシュートを放つが惜しくもポストを叩いた。一方、学法石川も前半アディショナルタイムにMF大河内秀次(3年)のクロスからFW金澤拓海(3年)がシュートを放ったが、惜しくもゴール左にそれた。互いに決定機はあったが、前半は0-0で終えた。

 後半もボールを支配する尚志と、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを狙う学法石川という構図は変わらない中、20分に尚志がワンチャンスをものにする。この日左サイドハーフに入ったFW柳原隆二(3年)が自慢のスピードで相手のマークを振り切り、思い切って放ったミドルシュートは強風にも煽られてゴール右上隅に突き刺さった。「練習してきた角度だが、これまで決めたことはなかった」と柳原自身も驚いたスーパーゴールが大一番で決まり、尚志が先制した。その後は余裕の出た尚志が攻撃の勢いを強め、多くの決定機を作る展開。学法石川は主将のMF渡辺伸(3年)を途中出場させたが、試合の流れを引き寄せることはできなかった。このまま試合終了し、尚志が1-0で接戦を制し、6年連続8回目の全国高校総体出場を決めた。

 尚志の仲村浩二監督は「福島でやる場合ずっと攻め続けなければならない展開になる。攻撃を練習してきたが、なかなか点が入らず1点差ゲームになってしまった」と県内の戦いならではの難しさを語ったが、「選手を信じていたが、勝たなきゃいけないプレッシャーの中で優勝する選手たちはすごい。よくやったと思う」と選手の頑張りを誉め讃えた。今年のチームについて「アベレージは昨年の方が高いが、勢いに乗ると昨年よりはるかに上のパフォーマンスをみせてくれる。今年は一気に壁を越えてくれそうなノリがある」と期待をかける仲村監督。勢いに乗って昨年以上の成績を目指す。

 一方の学法石川・稲田監督は「後半入りが良かっただけに、失点時のアプローチが遅れたのが悔しい」と悔やみながらも「プリンスリーグでやれた経験は大きく、ものすごく成長させてくれた」とプリンスリーグ東北で揉まれ、成長したチームに手応えを感じていた。ミドルシュート以外は尚志の攻撃を抑えた組織的で粘り強い守備と、鋭いショートカウンターは大きな魅力。敗れはしたが、高校選手権に向けて今後が楽しみな好チームだった。

(取材・文 小林健志)
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