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[MOM1433]市立船橋DF古屋誠志郎(3年)_市船でも「近年いない」ほどのバランス感覚持つ「崩れない」SB

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.7 全国高校総体準々決勝 市立船橋高 2-0 滝川二高 三木総合防災公園第2陸上競技場]

 連日気温30度を超える戦いの中でも、そのプレーは本当にブレない。攻守両面に渡って献身的に走り、戦い、白星に結びつける。市立船橋高の朝岡隆蔵監督も「古屋は抜群。高いアベレージでやるし、彼は凄いよね。崩れない。攻守に渡ってあれだけできる子は、SBでは近年いない。(これまで)何か特長もっている個はいたけれど、攻守において彼のバランス感覚は素晴らしい」と賛辞の弁を惜しまない右SB古屋誠志郎(3年)がこの日も勝利に大きく貢献した。

 地元の大声援を受ける滝川二との一戦。相手の戦い方を見て、「前半は相手も凄く引いていたし、中を凄く固めていたので外が空くかなと思っていた」という古屋は前半から積極的に攻撃参加を繰り返す。右サイドの高い位置で見せる正確なパスが市立船橋の攻撃に厚みを持たせ、エンドライン近くでの突破がセットプレーをもたらす。自分が活きるためだけでなく、味方を活かすための長い距離のスプリントなど攻守に走り続けたDFのサポートが市立船橋に主導権を握らせた。

 そして守備面でも滝川二のサイドチェンジをボランチのMF原輝綺との連係で確実に消し、相手の攻撃のキーマン・MF持井響太についても「自分がしっかり対応していたらボランチがプラス1をつくってくれた。ボランチの運動量が凄かったかなと思います」と語ったように、粘り強い対応と中盤との連係によって封じてシュートを打たせなかった。本人は間合いの悪いプレーもあったことを反省していたが、セカンドボールへの反応速く、ルーズボールも制していた古屋はチームの今大会初の無失点にも貢献。「絶対にゼロで行こうと思っていた。後半は管理とか徹底してゼロで抑えられたので、それは良かったです。(GK)寺尾とかも積極的なプレーでゴールを守ってくれたりしたし、『最終ラインとボランチでしっかり跳ね返すところ跳ね返して拾うことが鍵だぞ』と言われていましたし、そういうところを意識してできたのが良かった」と納得の表情を見せた。

 昨年は主に2列目でプレー。献身的な攻守に加えて得点力で違いも生み出していたが、新シーズンからはその堅実な性格も評価されてSBとしてプレーする。中盤としても大会屈指のタレントになりそうな好選手だが、「ここ(SB)で必要とされていると思う。走って攻守でやり続ければ負けることはないと思います」と勝利のため、また「(160cmと小柄なため)今後大学とか行ったときにいろいろなポジションできることで活躍できれば」と先のことも考えて現在はSBとしてのプレーに集中。この日の勝利で優勝まであと2勝と迫ったが、昨年の全国総体で2-0からの逆転負けを経験しているDFは「ここまで来れているのは結構チャンス。でも、先を見過ぎると足下を救われてしまうので一個一個準備して行くだけです」。ハイアベレージなプレーを続ける古屋は準決勝へ向けても油断がない。

(取材・文 吉田太郎)
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