beacon

[総理杯]2戦連続退場者も、関西学院大が粘り強い戦いで法政大下す

このエントリーをはてなブックマークに追加

[8.12 第39回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝 法政大 1-2 関学大 J-GREEN堺]

 第39回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの準々決勝が12日に行われ、法政大(関東4)と関西学院大(関西1)が対戦。退場者を出しながらも、前後半に1点ずつ得点を奪った関学大が2年連続でベスト4入りを果たした。

 2回戦の高知大(四国)戦に続き、粘り強い戦いで掴んだ貴重な勝利。「やっぱり、10人での戦いは嫌ですね」と苦笑いした成山一郎監督からはホッとした様子が伺えた。結果的には苦しい試合となったが、序盤から試合のペースは関学のモノ。中央のMF森信太朗、FW呉屋大翔に相手の守備意識を集めることで、警戒が薄まったMF森俊介小林成豪の両翼がノビノビとした仕掛けを披露。「法政が真面目に前からプレスに来るチームだったので、そこを一枚剥がせばチャンスはあるはず」(成山監督)との読み通り、サイドからビッグチャンスを作り出す。

 1つ目の決定機は前半20分。右サイドから中に切れ込んだ森俊がPA手前で倒され、FKを獲得すると、MF出岡大輝が直接狙ったが、枠を捕えることができない。28分にも中央でパスを受けた森信のスルーパスから呉屋がゴール前に抜け出し、シュートを狙ったがクロスバーに直撃した。

 惜しい場面を作りながらも1点が遠い時間が続いたが、39分には、森俊が右CK付近までドリブルで突破。「相手が二人食いついていたところで、徳永が読んでいたのが聴こえた」とPA右に位置するMF徳永裕大に繋いだ。徳永がダイレクトでのクロスを選択すると、呉屋がダイビングヘッドで叩き込み、試合を動かした。

 ホッとしたのも束の間、今度は「今年は得点直後の失点が多い」(呉屋)という課題が露呈。歓喜の2分後には、FWディサロ燦シルヴァーノに豪快な左足ミドルを叩き込まれ、振り出しの状態で前半を終えた。

 後半も先手を打ったのは関学大。後半3分に、PA右で森信のパスを受けた森俊が「得意な形」と自信を見せるドリブルからのシュートでゴールネットを揺らし、再びリードを手にした。

 ここまでは理想通りと言える試合展開だったが、アクシデントは21分。徳永が相手PA内でボールを奪いに行った際のプレーが一発レッドとなり、10人での戦いを余儀なくされた。高知大戦に続いて1人少ないとなったが、前半40分に退場者を出したこの時とは違い、今回の残り時間は24分。しかも、加えて、1点リードしていたことも心強かった。呉屋、小林ら攻撃陣が果敢なプレスで、コースを限定すると、守備も身体を張って法政大のシュートをブロック。

 後半42分にはMF青島拓馬の右クロスから、ゴール前で田代雅也にヘディングでの折り返しを許したが、「自分がブレてしまえば、チームまでブレるので、冷静になろうと心掛けていた」というGK上田智輝が好反応を見せて、得点を許さない。最後まで集中力を保ち、試合はそのまま終了。2-1で試合を物にした関学が2年連続でのベスト4進出を決めた。

 昨年の総理大臣杯はベスト4、インカレは決勝戦で敗退。成山監督は「悔しい気持で今年がスタートした。決勝戦を経験したのはインカレが初めて。正直、関学は舞い上がっていた。悔しさや課題を経験して、今大会に挑めている。今年やらずにいつやるんだという感じですね」と口にする。

 昨年の敗戦はいずれも、流通経済大。決勝でのリベンジはもちろん、「関東には負けたくない気持ちが強い。関東の方が上という空気に納得がいかないので、タイトルをとって、見返したい」と呉屋は口にする。ベスト4の残る3チームは関東勢。準決勝、決勝でも関東勢を下し、念願の日本一を手にするつもりだ。


●第39回総理大臣杯特集

TOP