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逆転でのアジア4強を信じる柏FW工藤「とにかく結果だけを求めてやっていきたい」

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[8.25 ACL準々決勝第1戦 柏1-3広州恒大 柏]

「後半の最後の時間帯はやりたいことができていた。前半からそれができていたら」。柏レイソルの宿敵とも言える広州恒大(中国)との一戦でMF武富孝介が悔むのは、攻撃の面だ。前半は3トップにボールをいい形でボールを供給することができず、シュートは0本に抑え込まれた。「『試合を丁寧に入ろう』というのがネガティブになった。中盤の選手があまりボールを受けにいきたがらなかった」と武富は最初の45分を振り返る。

 キャプテンのMF大谷秀和がベンチ外となったこの日、インサイドハーフに入ったのはMF小林祐介とMF中山雄太の若い2選手で、インサイドハーフから前線に効果的なパスはあまり入らなかった。後半16分にFWエデルソン・モラエスを投入して武富が中盤に下がると、リズムを取り戻し始め、同44分にはFW工藤壮人がようやく1点を返すことに成功した。

 2013年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝でも広州恒大と対戦した柏は、ホームでの第1戦で1-4、アウェーでの第2戦で0-4と大差で敗れた。再び相見えた中国王者に対し、ACL通算得点を10に伸ばした工藤は「2年前の手も足も出ない状況ではなかった」と武富同様、敗戦の中にも手応えを口にした。

「冷静に時間を進めていければ、必ずチャンスは訪れると思っていたんですけど、やはり一発がある」。流れの中からの失点はなかったものの、セットプレーで3点を許した。「1年に1回あるかないかのシュートがこの場面で出てしまうというのは、やはり素晴らしい選手」と工藤が称えたのは、昨年のW杯をブラジル代表として戦ったMFパウリーニョ。広州恒大が1点リードして迎えた前半40分には、約30mのFKを直接決めてみせた。MFダリオ・コンカ、FWエウケソン、FWムリキの南米トリオに蹂躙された2年前の広州恒大に比べるとが個の力では劣っていたが、パウリーニョのFKには「いいシュートでした」とGK菅野孝憲も認めていた。

 敵地での第2戦は9月15日に行われるが、準決勝進出のためには最低でも3ゴールが必要になる。「最後に1点取ったように必ずゴールを取れるチャンスはある。もちろん難しいことはわかっていますけど、とにかく結果だけを求めてやっていきたいと思います」。不屈のストライカーはアジア4強進出だけを見据えていた。

(取材・文 奥山典幸)

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