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クラマーさんの訃報に川淵氏「人生そのものを教えてくださった恩師」

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 「日本サッカーの父」と呼ばれたデットマール・クラマーさんが18日に亡くなった。90歳だった。日本サッカーの礎を築いた功労者の訃報に、悲しみの声が広がっている。

 日本サッカー協会(JFA)の川淵三郎協会最高顧問は、公式サイトを通じてコメントを発表。「クラマーさんと初めてお会いしてから55年。サッカーだけでなく、人生そのものを教えてくださった恩師で、今の僕があるのもクラマーさんがいてくれたからこそです。クラマーさん、心から感謝しています。安らかにお眠りください」と、故人を悼んだ。

 また大仁邦彌JFA会長も、「クラマーさんのお陰で日本サッカーリーグ(JSL)が創設され、それがJリーグにつながりました。クラマーさんがいらっしゃらなかったら今の日本サッカーの発展はなかったでしょう」などとコメントした。

以下、JFA公式サイトに掲載されたコメント
●川淵JFA最高顧問
「クラマーさんと初めてお会いしてから55年。サッカーだけでなく、人生そのものを教えてくださった恩師で、今の僕があるのもクラマーさんがいてくれたからこそです。

 これまでも何か気づくと必ずアドバイスの電話をくださり、その度に勇気づけられました。息子さんを亡くされたときに初めてクラマーさんの涙声を聞き、僕は「日本に僕たちクラマーさんの息子が大勢いるんだから、いつでも会いに来てください」と伝えました。

 最後に話したのは去年。そのとき、『寂しいね』と、初めてクラマーさんの弱音を聞きました。

 1960年当時、日本はアジアの弱小国でしたが、クラマーさんは、選手を一人前の紳士として扱ってくれた数少ない指導者で、あれほど真摯に、すべてを懸けてサッカーと人生哲学を伝えようとした指導者を僕はクラマーさん以外に知りません。クラマーさん、心から感謝しています。安らかにお眠りください」


●大仁JFA会長
「突然の訃報に驚いています。

 日本サッカーの近代化は、クラマーさんによってもたらされたと言っていいでしょう。私も現役時代にクラマーさんの指導を受け、基本を徹底的に教えられました。特にインサイドキックを繰り返し指導されたことが懐かしく思い出されます。クラマーさんのお陰で日本サッカーリーグ(JSL)が創設され、それがJリーグにつながりました。クラマーさんがいらっしゃらなかったら今の日本サッカーの発展はなかったでしょう。

 サッカーの話をし出すと止まらず、その熱意にはいつも驚かされました。サッカーへの情熱は最後まで変わらなかったと思います。

 日本サッカーの大恩人の訃報を、日本全国のファンも関係者も悲しんでいると思います。

 ご冥福を心よりお祈り申し上げます」

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