beacon

[AFC U-19選手権予選]SBながら“U-18代表の切り込み隊長”と言うべき存在感!藤谷が先制アシスト!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[10.6 AFC U-19選手権予選 U-18日本代表 3-0 U-18オーストラリア代表 ビエンチャン]

 まさにクライマックスと言うべき流れで迎えたAFC U-19選手権予選最終戦。アジアのライバル・オーストラリアを相手に、日本はチーム結成から培ってきたサイドアタックの形を貫き、相手の守備をも貫き通した。

 試合前から日本はスカウティングを通じて「(オーストラリアの守備は)スピードアップすれば付いてこられない」(内山篤監督)という感触を得ていた。個々にパワフルな選手を擁するオーストラリアだが、純粋な走力に加えて速い攻撃に対する判断にも鈍さがあるという見立てである。あとは緩急のスイッチをどのタイミングで入れるかと、そのタイミングを全体が共有できるかどうかだった。

 序盤から日本は慎重なプレーが続く。この時間帯を、右SB藤谷壮(神戸U-18)は「引き分けでも良いと言われていたので、なるべく失点をしないように意識をしていた。立ち上がりは無闇やたらに行かなくていいと思っていた」と振り返る。ただ、相手の足が暑さで止まる中で、徐々に日本は攻撃のスイッチを入れていく。41分、流れの中から生まれた最初の絶好機が生まれる。藤谷のクロスにFW岸本武流がニアサイドでヘッド。これは惜しくも外れたが、相手の鈍い対応に日本のイレブンは好感触を共有した。

 そして迎えた前半のアディショナルタイム。堂安のパスを受けた藤谷が果敢にしかける。「相手のSBの対応が悪いと思っていた」。自慢のスピードでサイドを切り崩して、クロス。これをファーで待っていた高木彰人(G大阪ユース)が豪快に蹴り込んで、均衡は崩れた。藤谷の突破からのクロスと、それに呼応したFWの動き出し、そして高木の絶妙な位置取りとシュートとすべてが噛み合ったファインゴールだった。

 不動の右SBにして、神戸ではトップチームデビューも飾っている逸材だが、海外での公式戦となるとやはり違うものがあったようだ。「一戦目は体が硬かったし、自信がなかったというか、不安が大きかった」と振り返る。ただそれでも、ラオスとの第1戦で高木の貴重なゴールを導き出し、緊張が解けた第3戦では軽快な攻守で“らしさ”を見せ付けて3-0の快勝となるゲームの糸口を作った。SBながらU-18代表の切り込み隊長と言うべき存在感を見せ付ける大会となった。

[写真]前半アディショナルタイム、右サイドを突破したU-18日本代表はSB藤谷のアシストから高木が先制ゴール

(取材・文 川端暁彦)

TOP