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[MOM1551]米子北FW谷口喬亮(3年)_まさに“こじ開けた”貴重な先制点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.1 全国高校選手権鳥取県予選決勝 米子北高 4-1 境高 とりぎんバードスタジアム]

 立ち上がりから攻め込みながらも得点できず、アディショナルタイムに入ろうとしていた前半39分、ゴール前の密集でこぼれ球を拾った背番号11が、思い切り良く右足を振り抜く。「試合前に『強引にこじ開けろ』と言われていました。境高の守備が堅くて、なかなか崩せなかったですけど、その指示を聞いていたので、あの場面でもシュートを打った」と米子北高FW谷口喬亮が振り返る一撃は、ブロックに入った相手DFに当たって浮き球となり、相手GKの頭上を破って先制点となった。

 自陣深くに引いて守備を固める相手に対し、左右のスペースへのフリーランや周囲とのコンビネーションで攻撃の先陣を切り、自らスコアを動かした。チーム全体の出来を「ゴールの近くまでは行けていたけれど、そこからのアイディアや強引さが足りなかった」と語った城市徳之監督も、「シュートを打つことに価値があることを証明したゴール。あれが入ることで精神的に楽になった」と、まさしく“こじ開けた”貴重な先制点を評価した。

 左足首の負傷で戦列を離れていた時期があり、練習に復帰したのは約1か月前。「まだ完全には治っていない」という状況ながらも、全国切符を懸けた舞台に先発で送り出された。実戦に復帰して間もないこともあり、後半の立ち上がりで交代となったが、チームに1点のリードと心のゆとりをもたらした先制ゴールは、交代後の3得点の呼び水ともなった。

 選手権に向けて「フォワードとしてはゴールを決めることに、もっとこだわらなければいけないと思います。まだまだだと思うので、もっと練習して、多くのゴールを決めたい」と意気込む。今夏の全国高校総体では1回戦から3試合連続ゴールを挙げ、ベスト8進出に貢献した。選手権ではさらに上を目指すべく、ゴールを“こじ開ける”ために走り続ける。

[写真]前半終了間際に先制点を決め、笑顔でベンチに走る米子北・谷口(11番)

(取材・文 石倉利英)
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