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[選手権予選]河崎監督の復帰と数々の悔しい思いが力に、昨年度日本一の星稜が全国へ:石川

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[11.1 全国高校選手権石川県予選決勝 星稜高 3-0 鵬学園高 石川県西部緑地陸上競技場]

 第94回全国高校サッカー選手権石川県予選は1日に決勝を行い、昨年度日本一の星稜高鵬学園高に3-0で快勝。17年連続26回目の全国大会出場を決めた。
  
 総体予選決勝でも顔を合わせた両者。その時は鵬学園の攻撃力に星稜が苦戦を強いられた。結果は1-0で星稜に軍配が上がったが、両者の力は拮抗しており、選手権予選は波乱の予感も感じさせた。

 だが、結果は3-0で星稜が盤石の勝利。全国総体後に復帰した河崎護監督が着手した守備の立て直しは、徐々にチームとしての基盤をアップさせ、安定した戦いが出来るようになった。

 これを実証したのが、この決勝戦だった。鵬学園の弥村信幸吉野隼平の2トップ、左のドリブラー越田瞬、中盤の核・千葉東泰共に対し、大橋滉平川渕陸のダブルボランチ、岡田勇斗東方智紀のCBコンビが、スムーズなマークの受け渡しと強烈なプレスバックで、彼らの自由を奪った。

 攻めては「ウチの生命線はサイド攻撃」と河崎監督が語ったように、右MFの阿部雅志と左MFの片山浩の突破力を活かし、奪ったボールを素早くサイドに展開し、スピードに乗ったショートカウンターを効果的に繰り出した。

 15分、中盤でボールを奪った大橋が、裏に抜け出したFW窪田翔にスルーパスを通す。これをDFと交錯しながらも前に持ち出した窪田が冷静に1対1を沈めると、20分には片山の左からのクロスを、FW村中龍仁がドンピシャヘッドで合わせ、リードを2点に広げた。

 後半になっても、個人技で差し込まれることはあったが、相手の連係を寸断し続け、22分には左CKから相手のオウンゴールを誘発させて勝負有り。最後まで安定感を崩さなかった星稜が、17年連続26回目の選手権出場を決めた。

「春先はまだチームとして上手く機能していなかった。でも、色んな悔しい思いをしてから、選手一人一人の意識が徐々に変わっていった。今はもうみんなさぼらなくなって、チームの伝統である全員守備、全員攻撃が出来るようになった」。キャプテンの阿部がこう胸を張ったように、春先から不安定な戦いが続き、全国総体では3回戦敗退。プリンスリーグ北信越も最終戦で新潟明訓高との直接対決に敗れ、3位に転落してプレミアリーグ参入戦進出を逃した。河崎監督の復帰と、数々の悔しい思いが彼らを強くした。彼らは着実に『全国仕様』になっている。

(取材・文 安藤隆人)
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