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[MOM1593]阪南大高FW福元祐介(3年)_決勝点!!指揮官の「何かやってくれると思った」という予感的中

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.14 全国高校選手権大阪府予選決勝 阪南大高 1-0 興國高 キンチョウ]

「何かやってくれるんちゃうかなと思った」。濵田豪監督がスタメンに抜擢した阪南大高のFW福元祐介(3年)がきっちり期待に応えた。

 今予選での出番は、5回戦の阿武野高戦のみ。それも、「風が強い日だったので、事故によるゴール狙いだった」(濱田豪監督)ものの、「何もしてくれなかったので、前半で代えた」。以降はベンチが指定席となりながらも、「阪南は選手層が厚い。他の選手が活躍していたので、仕方ないと。その中でも、諦めずに自分の持ち味を練習で出してきた」と腐らずに、自身の長所として挙げる浮き球の処理や1対1の守備を練習から存在をアピール。攻撃でもスピードを活かした飛び出しを見せることで、大一番でスタメンの座を掴み取った。

 ただ、当初与えられた出場時間は試合開始から20分間のみ。試合前に指揮官から、かけられた言葉も、「あんまり期待してない」、「退場だけはするなよ」など冗談ばかりだったという。決して、ボールがおさまるタイプではなく、期待されたのはスピードを活かした飛び出しや、高い位置からの守備など、相手を“かき回す”役割だったことは確かだが、「監督からの言葉は『これは1点獲ってこい』ってことなんかなって思った。失う物はないので、自分の良さを出すことだけに集中していた」と発奮した彼は序盤から、ガムシャラな動きで攻撃を牽引した。

 興國の守備陣が福元に手を妬いたことから、当初の20分を過ぎてもベンチは動かず。予定時間から10分を過ぎた前半30分に阪南大高はPA右手前で福元が倒され、FKを獲得する。このチャンスにキッカーのMF藤本悠太郎が狙ったのは対角線上に位置するPA左のDF小松拓幹だった。「準々決勝の履正社高戦で、空中戦での揺さぶりで興國がピンチになっていた」(福元)という作戦通り、PA中央への折り返しに成功すると、今度は福元が反応。勢いよく放ったヘディング弾がゴールネットを揺らした。

 無我夢中でボールに絡んだ代償として、両足をつってしまったため、「本当はもう10分、引っ張りたかった」(濱田監督)ものの、ハーフタイムを境にベンチに下がることに。勝利を告げる笛は残念ながら、ベンチで聞くことになったが、福元は「前半で全て出し切るつもりでやっていたので仕方ない。緊張していたけど、自分らしさが試合で出せ、ゴールも獲れたので、良かった」と胸を張った。「中学の頃も、高校に入ってからも全国の舞台に立てていない」と話すように、阪南初の選手権出場は自身初めての全国大会でもある。「上がれるとこまで、上がって阪南大高の名を全国に知らしめたい」と意気込むように、次のステージでも彼は、「何かやってくれる」かもしれない。

[写真]前半30分、福元(9番)の先制点を喜ぶ阪南大高イレブン

(取材・文 森田将義)

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