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CS制覇に安堵の寿人「年間1位が報われない恐怖心があった」

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[12.5 チャンピオンシップ決勝第2戦 広島1-1G大阪 Eスタ]

 喜びよりも安堵の気持ちが大きかった。レギュラーシーズンで史上最多となる勝ち点74を獲得しながら、あらためて優勝を懸けて11年ぶりに復活したチャンピオンシップを戦ったサンフレッチェ広島。FW佐藤寿人は「年間1位になって、チャンピオンシップはプレッシャーでしかなかった」と、率直な思いを吐露した。

「年間1位になっても、チャンピオンシップを取らないと、すべてが報われない恐怖心があった」。その重圧はアウェーでの決勝第1戦に先勝して、さらに強まった。ホームでの第2戦は先制を許す苦しい展開。それでも1-1の引き分けに持ち込み、2戦合計4-3で2年ぶり3度目の優勝を決めた。

「2試合トータルで上回って、プレッシャーが大きければ大きいほど、喜びもひとしおかなと」。そう言って安堵の笑みを浮かべた佐藤は「来シーズン、3つ目の星を身にまとって戦えるのは誇り」と、クラブとして3つ目のタイトル獲得を喜ぶと、「一気に4つ目を取るチャンスが天皇杯である」と早くも視線を次に向けた。

 今後は準々決勝まで勝ち残っている天皇杯のほか、3年ぶりに出場するクラブW杯も待っている。「(3年前のクラブW杯は)サッカー人生で唯一、(サッカーを)楽しめた大会だった。思い切りサッカーを楽しめるのがクラブW杯」。10日の1回戦でオセアニア代表のオークランド・シティ(ニュージーランド)と対戦。勝ち上がれば、準々決勝ではアフリカ代表のマゼンベ(コンゴ)、準決勝では南米代表のリバープレート(アルゼンチン)と対戦する。

 リバープレートは今年8月のスルガ銀行チャンピオンシップでG大阪に3-0で快勝している。「南米王者とやらないと、本当の世界は感じられない。しっかり勝ち上がって、リーベルはスルガ銀行チャンピオンシップでガンバを叩いているし、その先にはバルサと戦えるかもしれない。今日は優勝を喜んで、できるだけ早く切り替えたい」。準々決勝で敗れ、南米王者とも欧州王者とも対戦できなかった3年前の悔しさをぶつけるための舞台は整った。

(取材・文 西山紘平)

●2015 Jリーグチャンピオンシップ

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