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[MOM1617]神戸弘陵FW土井智之(3年)_張り続けていた得点への伏線、見事な連係から同点弾!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 神戸弘陵高 2-1 旭川実高 広島補助]

「あの2人で崩すことが出来る。コンビネーションは彼らの発想に任せている」。

 谷純一監督が口にする『あの2人』とは、土井智之入谷子龍のツートップだ。高いアジリティーとドリブル、意表を突くパスを得意とする入谷と、瞬間的なスピードに長け、DFラインとの駆け引きから背後のスペースに抜け出し、ゴールを決めるストライカーの土井。この2人のコンビネーションは、非常にアイデア豊富で、かつ凄まじい破壊力を持っている。

 この試合でもこのコンビでゴールをこじ開けた。中盤に下りてリズムを作るなど、積極的にボールを受けにいく入谷に対し、土井は入谷のポジションを常に視野に入れながらも、相手DFラインとの細かい駆け引きを何度も繰り返した。

「僕はゲームメークよりも点を取ることを意識しています。いかに相手の背後を突いて勝負が出来るかを考えています。ただバランスを崩してはいけないので、距離感は考えています」。

 こう語る彼は、点取り屋にありがちな、前線で待ってしまうタイプではない。入谷が下がれば、いつパスが来ても良いように、距離を縮めながらも、DFラインへの牽制を忘れない。一方で入谷が前に出たら、トップ下の位置に落ちて、フォローしたり、そこから追い越して前線に飛び出していくなど、動きと前への仕掛けに変化を加えている。

 ストライカーとしての本能を持ちながらも、非常に気が利く。それが土井という選手。そして、0-1で迎えた後半14分、彼の駆け引きが旭川実高のDF陣を凌駕した。バイタルエリア中央で入谷にボールが入る直前に、DFラインの位置を確認すると、左のスペースが空いていた。

 すると、「オフサイドラインギリギリにいたので、一度落ちてCBを食いつかせてから、スペースに走り込んでいこうと思った」と、入谷がボールを受けた瞬間、一瞬だけ近づくと、一気に左のスペースにダイアゴナルラン。「子龍があの位置で前を向いたら、絶対に良いボールが来る」と、相棒を信じて全力疾走すると、フリーになった彼の下に正確なスルーパスが届いた。「冷静にシュートが打てた」と振り返るように、GKとの1対1を冷静に制し、ゴールに流し込んだ。

 試合を振り出しに戻す貴重な同点弾。見事なコンビネーションの裏側には、それまで彼と入谷がずっと張り続けて来た伏線があった。13日のプレミアリーグ参入決定戦(対磐田U-18)。入谷とのコンビネーションで躍動する土井の姿が見られるのか。キックオフから始まっている伏線にも注目だ。

(取材・文 安藤隆人)
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