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[皇后杯]日テレの連覇阻んだPK3本セーブ新潟L20歳守護神、実はPK戦苦手…PK勝利は「中学生以来」

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[12.23 皇后杯準決勝 日テレ1-1(PK2-3)新潟 等々力]

 日テレ・ベレーザの連覇の夢を阻んだのは、弱冠20歳の若き守護神だった。1-1のまま両者譲らず、勝敗の行方はPK戦に委ねられることになった。先攻のアルビレックス新潟レディースが1人目を成功させると、GK福村香奈絵はMF長谷川唯のシュートを右に飛んでストップ。続く日テレの2人目、MF中里優のシュートは左に飛んでセーブしてみせた。

 一旦はタイに持ち込まれたものの、福村は止めれば勝ちとなる日テレの5人目で蹴ったMF阪口夢穂のPKを完璧に読み切ってストップ。試合後は、「GKコーチから『PKはGKの立場からしたら、決められて当たり前なので、リラックスして行け』と言われた。リラックスして楽しめました」と笑顔で振り返った。

 PKは苦手だった。今大会に入る前もPK戦を想定した練習をしてきたが、ほとんど止めることが出来なかった。能仲太司監督は「本番に強い。いい仕事をしてくれた」と舌を巻いたが、本人は「PK戦が得意?そうでもないです」と苦笑いを浮かべる。

 常盤木学園高出身の福村は、高校生活最後の大会に臨んだ2年前の全国高校女子サッカー選手権の準決勝で藤枝順心高にPK戦の末に敗戦。苦い思い出はそれだけでなく、自身のPK戦勝利は「中学生の時以来」なのだという。

 今季の年間王者を退け、一躍ヒロインとなった福村。残すは今季限りでの現役引退を表明し、次の決勝戦が文字通りラストゲームとなるMF澤穂希擁するINAC神戸レオネッサとの一戦になる。ただ、新潟としても今季限りでの退任を表明している能仲監督の最後の試合になる。守護神は、「最後は全員で勝って終わりたいです。澤さんの最後の試合?勝ち切ります」と力強く話した。

(取材・文 児玉幸洋)

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