[12.29 横山杯決勝第2グループ第3戦 鹿島学園高1-2武南高 ジャーニィー土合グラウンド A面]

「横山杯 第16回全国ユース招待サッカー大会」は29日、1st Division決勝第2グループ第3戦が行われ、武南高(埼玉)は鹿島学園高(茨城)と対戦し、2-1で逆転勝利。勝ち点を6に伸ばしたが、ファイナルゲームに進出することはできず、第2グループ2位で大会を終えた。

　序盤からお互いに敵陣深くまで攻め込み、どちらが先制してもおかしくない状況だったが、試合を動かしたのは鹿島学園だった。鹿島学園はMF小長井大夢が裏を狙い、縦へ仕掛けるなど左サイドから攻撃を仕掛けると、前半13分にFKを獲得。キッカーのMF米谷力が蹴り出したボールが弧を描いてゴール方向へ飛び、ゴール前に走り込んだDF塩野清雅には合わなかったが、これがGKをひきつけてゴール右隅に吸い込まれた。

　さらに鹿島学園は前半15分に小長井が左から上げたクロスをFW島村風雄が中央で合わせるもわずかに枠を外れ、追加点とはならなかった。すると、流れは徐々に武南へ傾く。前半22分、ショートカウンターからMF玉上雅大の技ありミドルがGKの頭上を越えてゴールネットを揺らし、試合を振り出しに戻した。

「相手に勢いが出てきて受けてしまった」と亀谷誠監督が語るように、鹿島学園は同点に追いつかれてから守備に回る時間が増え、相手の決定的なシュートをDF滝本柊平がライン上で掻き出したり、MF磯貝拓夢のスルーパスで玉上に抜け出されたり受け身となってしまった。それでも前半を1-1のまま終え、後半に勝ち越しを狙ったが立ち上がりを突かれてしまった。

　武南は後半3分、磯貝がPA右角あたりから左足シュートもわずかに外れる。その1分後には、右へ流れてボールを受けたFW松井優太が上げたクロスをFW加藤壮磨がヘッドで押し込み、逆転。後半24分には鹿島学園がPA内で間接FKを得て、3人がまたいでDF岡部智紘が後方にちょんと落とし、米谷が思い切りよく右足を振り抜いたが、ライン上に並んでいた武南の壁の上に外れてしまい、同点のチャンスを逃した。

　終盤の鹿島学園のパワープレーを耐え凌ぎ、2-1で逆転勝利をおさめた武南の大山照人監督は、「自分たちの弱点(守備)がちゃんと出た。はっきり出ている弱点をこれから解決していきたい」と勝利もまずは反省の言葉が口をついたが、「攻めに関しては追いついて、逆転という積極的にゴールを狙っていこうという姿勢は少しは見られた。これをもっともっと伸ばしていきたい」。武南は新チームで初めて臨んだ大会で得たものは多かったようで、大山監督も今後の成長に目を細めた。

　一方で先制しながらも逆転を許してしまった鹿島学園。亀谷監督は、「打ち返すメンタリティーの部分が必要。技術、戦術的なことよりも取られたあとのメンタルの部分、向かって返すというメンタリティーが弱いと感じた。最後はパワープレーになったが、そこでもチャンスはあったのでそこで仕留めきれなかったのはまだまだ甘いところ」と今後への課題が見えた大会となったようだ。

(取材・文 清水祐一)

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