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[女子選手権]逆転につぐ逆転…藤枝順心が9大会ぶり2度目の優勝!!

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[1.10 全日本高等学校女子サッカー選手権 藤枝順心3-2神村学園 ノエスタ]

 藤枝順心高(静岡)が2度の逆転劇のあったシーソーゲームを制し、2006年の15回大会以来2度目の選手権優勝を果たした。2005年以来、10大会ぶりの優勝を目指した神村学園高(鹿児島)は一度は逆転するものの涙をのんだ。

「前半は0-0でも悪くない。守備で頑張ってきたチームが3失点…完敗です」と神村学園の寺師勇太監督は振り返る。「失点が早すぎた」と語るように、いきなり試合が動いた。前半3分、左サイドから切れ込んだ藤枝順心FW肝付萌(3年)が「自分の持てるものを今、その瞬間にどれだけできるかを意識して最初からとばしました。足元にボールが入りすぎたけどよく入ってくれました」というシュートを決め先制。

 しかし神村学園もすぐさま反撃。失点後のキックオフ。左サイドからMF小川愛(2年)の折り返しを中央のMF渡辺玲奈(3年)が合わせ、1分とたたないうちに同点に追いつく。
それ以降は藤枝順心がポゼッションからの攻撃を試み、神村学園が粘りの守備から鋭いカウンターをうかがうという、両チームの色が出た展開に。

 そして前半40分、スコアを動かしたのは神村学園だった。左サイドのFW水津桃果(3年)からのクロスのこぼれ球を渡辺が追う。そして振り向きざまのロングシュートが藤枝順心ゴールのネットを揺らす。「選手権前にレギュラーをつかんだ。テクニックだったらFW園田悠奈(2年)と変わらない。シュートのアイデアもある。この選手権にかけていた思いはつよかったはず」(寺師監督)という苦労人の、この日2得点目となる逆転ゴールで前半を終えた。

 一方、「自分たちのサッカーをすれば点が入ると信じていた」と、主将のDF黒﨑優香(3年)が語るように、ハーフタイムに自分たちのサッカーを徹底することを再確認し、後半開始から攻勢を強めた藤枝順心。

「1人が2つ以上のポジションができるように。流動的に動いても対応できるように練習してきた」(肝付)というように、次々とポジションを入れ替え、相手に的をしぼらせない。すると後半15分、中央のFW岩下胡桃(1年)が浮き球のパスが前線に。これに反応した肝付が押し込んで同点に。さらに6分後、この試合2ゴールの肝付が左寄りからファーにクロス。これをDF安部由紀夏(1年)がダイレクトで合わせ逆転に成功する。

 神村学園の寺師勇太監督は「逆転されてもひるまず声を掛け合っていた。でも考えた通りにはいきませんでした。藤枝さんは上手くて強い。ボール扱いだけでなく運動量もあって球際も強いので、ボールを持たれる時間が増えていった。うちは泥臭く勝ち上がってきた自負があります。勝負にこだわった中で、それでも跳ね返された」というように、諦めない神村学園の圧力を“いなす”ようなしたたかさが試合終盤の藤枝順心には見られた。

 悔しい逆転負けを喫した神村学園だったが、寺師監督にとっては就任1年目での準優勝。「藤枝さんのCB、8番(黒﨑)と3番(DF奥津礼菜(3年))のロングフィードの質が高く、それでやられはしなかったもののラインが下がってしまった。結果、ボールを取れない、奪えないことが後々ボディーブローのようにきいてきた。もっとタフなチーム、タテに速い質をつきつめていかないと、上手いチームには勝てません」と締めくくった。

 対して「去年が100だとしたら今年はその半分にもいかないチームだった」と自チームを評する藤枝順心・多々良和之監督は「喜びもありますが、ほっとしました。長い10日間だった」としみじみ。これまで全国大会の優勝候補にたびたび挙げられながらもなかなか手が届かなかった2度目の優勝。ここ数年続いた日ノ本学園(兵庫)の牙城が崩れた今、続いて王国を築けるか。長い雌伏の時を経て、静岡の女王が名乗りを上げた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文/伊藤亮)


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