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[選手権]“最弱世代”から“強い世代”へ、「謙虚な姿勢が土台」の東福岡が全国2冠達成

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[1.11 全国高校選手権決勝 東福岡高 5-0 國學院久我山高 埼玉]

 全国高校総体で高校日本一に輝いても、高校年代最高峰のリーグ戦である高円宮杯プレミアリーグWESTで2位に食い込んでも満足することはなかった。選手権で17年ぶりとなる4強、決勝進出を果たしても「まだまだ」と繰り返した選手たち。自分たちの力を認めてもらうためには優勝しかなかった。“最弱世代”と評されていた東福岡高の3年生たち。彼らは全国選手権ファイナルを5-0で終え、“最弱”ではなく“強い世代”“最も成長した世代”として高校サッカー生活を終えた。

 MF中村健人(3年)は「“最弱”と言われていた分、過信することなく、ここまで来れた。謙虚な姿勢が一番の勝因だと思う」と語り、MF橋本和征(3年)も「見返してやろうという思いで、チームがまとまったというか、言われたからこそ、この結果になったんだと思います」と思いを明かす。1年時の地区新人戦から結果を残すことができず、最上級生になって迎えた15年プレミアリーグ開幕戦でC大阪U-18に1-6で大敗。MF中島賢星(現横浜FM)やMF増山朝陽(現神戸)ら全国区のタレントが揃っていた1学年上の世代と常に比較されてきた世代は、自分たちの評価を覆せずにいた。

 橋本は「(C大阪U-18との)試合の後にスタッフからも結構言われたので。『やっぱり』みたいな。1回、選手で集まって、『このままじゃダメだ』、『しっかり見返してやろう』という話になったので、そこから変われたのかなと思います」。話し合い、謙虚に取り組む姿勢、守備意識を徹底して変わったチームは、終了間際の決勝点で辛勝した全国総体福岡県予選決勝(対筑陽学園高)など苦しい試合を何度も経験しながら一歩一歩前進してきた。全国総体優勝で1学年上の先輩たちに肩を並べ、今回の選手権予選では激戦区・福岡県の決勝(対筑陽学園高)を4-0で突破。それでも直後のプレミアリーグでJクラブユース勢相手に連敗し、「自分たちでまた『そんなに強くないんだ』と謙虚に臨む上ではいい負けだったかなと思います」(中村)とまたエネルギーにして努力を続けてきた。

「謙虚な姿勢が土台となってできている」と中村が胸を張るチーム。先輩たちが3回戦で敗退した選手権全国大会では1回戦から決勝まで「このゲームに集中しろ」と常に言葉をかけられる中で、目の前の試合に集中して一戦一戦勝ち上がってきた。目標の優勝のため、気を緩めることはなかった。中村は「2冠しないと認められないのは分かっていた」。3位や2位ではなく1位になること。優勝できなければ“強い世代”として認めてもらうことはできない。その思いで戦ってきたチームは、54,090人の大観衆が詰めかけた決勝で個々、チームとしての献身的な攻守、鮮やかな崩し、トリッキーなFKなど取り組んできたことを見事に披露して強敵・國學院久我山高に5-0で快勝。森重潤也監督はその選手たちについて「最後、こういう舞台で最高の結果を残した選手たちは素晴らしいと思っています」と目を細めた。

 埼玉スタジアムで優勝旗を掲げ、喜びを大爆発。部員281人の東福岡は例年、九州随一と言えるほどの戦力を揃えるが、そのタレント軍団でもいろいろな要素が揃わなければ勝つことはできない。その中で今回のチームは、チームのためにハードワークできる選手たちがチームの代表としてエントリーされ、ピッチに立った。プロ入りするスターはいなかったが、全員がチームのために戦う姿勢を貫いて日本一。“弱い”レッテルを剥がして17年ぶりの選手権タイトルを掴んだ世代は、謙虚な姿勢で取り組むことの大切さを後輩たちに伝えた世代だった。 

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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