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大きなプレッシャーから解放されて…U-23代表DF室屋「試合に勝って初めて泣いた」

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[1.26 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選準決勝 U-23日本 2-1 U-23イラク アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアム]

 試合終了のホイッスルが吹かれる。MF原川力(川崎F)が後半アディショナルタイムに奪った劇的な決勝ゴールで2-1の勝利を収めたU-23日本代表は、6大会連続で五輪出場権を獲得。歓喜が訪れ、これまで張りつめていた糸が切れた瞬間、DF室屋成(明治大)の目からは涙がこぼれた。

 予選を通じて「自信を持てるようになった」室屋は、14年8月の手倉森ジャパン初招集以降「一番成長したと思っている」守備で、準決勝イラク戦でも存在感を発揮する。スピードに乗って攻め込んでくる相手に対しても冷静に、そして粘り強く対応して「相手をうまく抑えられたと思う」と自サイドからの突破を許さなかった。

 前半26分にFW久保裕也(ヤングボーイズ)の得点で先制しながらも、同43分に同点に追い付かれてしまう。しかし、「サッカーなので失点することは必ずあります。ネガティブにならず、その後も落ち着いて試合を運べた」と振り返るように、失点後も崩れなかったチームは、後半アディショナルタイムの原川のゴールで勝利を、五輪出場権をもぎ取った。

「初めてサッカーの試合に勝って泣いた」。自然とこぼれ落ちる涙。それだけ、大きなプレッシャーと戦っていた。「絶対に五輪出場を決めないといけない中で、すごい責任感があったし、プレッシャーもありました。ただ、やっとその目標を達成できた。本当にうれしい」。リオへの切符をしっかりと手に入れ、大きなプレッシャーから解放された男に安堵の表情が浮かんだ。

(取材・文 折戸岳彦)

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