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[MOM1711]東福岡DF小田逸稀(2年)_2冠王者の新たな軸、全国で当たり負けした悔しさは成長への起爆剤に

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.13 九州高校(U-17)大会第4ブロック最終節 東福岡高 2-1 佐賀北高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場C]

 全国高校選手権でも存在感を放った左SBが全国王者の軸に成長しようとしている。東福岡高の左SB小田逸稀(2年)は昨年のこの時期はまだスタメンを勝ち取っていなかったが、全国総体で優勝に貢献して選手権ではその対人の強さ、身長173cmながらも空中戦で見せる抜群の強さ、攻撃力など総体以上に印象的なプレーを見せて再び優勝に貢献。そのDFがこの日もサイドの攻防で強さを発揮した一方、ゴールも決めて勝利に貢献した。

 前半25分、東福岡はCKのこぼれ球を拾った10番MF藤川虎太朗がクロスを入れる。これを中央の小田が頭で叩きつけてゴールを破った。「守備の時の上に弾くようなヘッドは慣れている。でもCKでは叩きつけることができていなかった。(得点シーンでは)叩きつけることを意識していました」という小田のゴールによって東福岡はスコアを動かした。後半に追いつかれる展開になったものの、チームは何とか勝利。予選リーグを突破した。

 森重潤也監督は小田を含めた昨年から残るレギュラー組に対して「軸になるプレーヤーになっていかないとチーム力も上がっていかない」とチームの軸になることを要求する。その中で小田は新たな目標をもって新シーズンに臨んでいる。選手権で存在感を放ちながらも優秀選手に入ることができなかった理由について「パスの質とか足りなかった。得点力がまだまだだと思います」と分析。「今年は3冠狙っている。(個人的にも)インターハイと選手権は優秀選手に入って、高校選抜や代表を狙って行きたい」と世代を代表する選手に成長することを誓っている。

 武器をより磨いてチームの軸に。「対人とヘディングは絶対に負けない。ビルドアップも落ち着いて。最近、逆サイドに大きく展開することを意識している。あとは攻撃参加で3人目とかワンツーで絡んでいきたい」。体幹トレーニングを徹底していることによって当たり負けしない選手になったが、選手権の全国大会では負けた選手がいたという。「市船の矢村選手。フィジカル絶対に負けないと思っていたんですけどあの人には負けました。悔しかったです。プレー見ていて強いけれど、自分は負けないと思っていたんですけど2回ふっ飛ばされました。(自分は)大学生相手にもそんな負けていなかった。でもあんな高校生は初めてでした」。その悔しさは小田にとって成長への起爆剤。今年は個人の筋力トレーニングにも取り組み、対戦相手に決して負けないSBになる。

(取材・文 吉田太郎)

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