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[アンブロGACH1-TR]先輩からの激励も受け、2日間のガチトレで「変わった」前橋商が最終戦も競り勝つ

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[3.6 アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ 前橋商高 2-1 関東一高 東京ガス武蔵野苑多目的グラウンド]

 フットボールと「ガチ」で向き合うユース年代のプレーヤーたちが、自身とチームの成長を目指す第2回「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」は6日、東京大会最終日を行い、前橋商高(群馬)が関東一高(東京)に2-1で勝利。前橋商は3勝1敗で「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」の全日程を終了した。

 前橋商の笠原恵太監督は「この2日間だけでもかなり変わったと思います」と選手たちの変化に目を細めていた。大会初日の前日はまだ戦い切れていない部分を指摘していた指揮官だが、この日は「声もよく出ていたし、ミスしてもみんなでカバーできていた」と評価。関東一は前日から先発11人を入れ替えたA2メンバーではあったものの、前橋商は最後まで運動量が衰えず、たくましい戦いぶりで勝ち切った。

 前半13分に相手の背後へ抜け出したFW星野周哉(2年)の左足シュートが枠を外れ、18分にはクリアボールに反応したMF櫻井優希(1年)の右足シュートが右ポストを叩いた。それでも20分、MF高橋直希(1年)が獲得した右FKをMF金枝晃平(2年)が中央へ入れると、左SB木村海斗主将(2年)が頭で合わせて先制点。また、前線からの守備で相手を押し込み、関東一に思うようなパスワークを許さない。関東一もスペースを突いたFW重盛隼人(1年)が対人で強さを発揮し、PAへ割って入ったFW石井賢哉(2年)が決定機を演出するシーンもあったが、前橋商はゴール前で自由を与えなかった。

 それでも関東一は27分、左SB尾崎碧(2年)の左FKをファーサイドのMF景山海斗(2年)が折り返し、最後はCB今野綾仁(1年)が同点ゴール。だが前橋商は前半アディショナルタイム、星野の展開から木村が上げた左クロスをファーサイドのMF大橋洸紀(1年)が頭で押し込んで勝ち越した。

 後半も運動量の落ちない前橋商は左SB木村がその高い身体能力で相手のサイド攻撃を封鎖。また、CB転向一週間足らずのCB風間朝陽(2年)とCB小林冬威(2年)というサブ組から抜擢されたDFコンビが空中戦やPAに入ってくるボールを良く弾いて関東一に反撃のチャンスをつくらせない。関東一は非常に良く声の出ていたGK山口公太郎(2年)を起点に後方からボールを繋いで攻めたが、アピールすべき選手たちの攻撃に迫力を欠き、またミスも増えたことで前橋商に守りきられてしまう。前橋商は終盤、クロスバーに救われるシーンもあったが、それでも2-1で勝利。今大会3勝目を挙げた。

 前橋商は、昨年の選手権予選準決勝で前年度全国準優勝の前橋育英高と互角の戦いを演じながらも「チャンスは何回かつくれたけれど決めきれなかった。育英の方が一枚上手でした」(風間)とわずかな差をつくられて0-1で敗退。風間は「勝ち切れるチームになりたいです。決して、強いチームじゃないので自分たちは。一個一個できることを増やして力つけていきたい」と語っていたが、今大会の3勝はいずれも1点差での勝利と自分たちが目指す部分が表現できてきている。

 FC東京の練習場で行われた今大会。前橋商イレブンは前日、FC東京に所属する先輩MF高橋秀人からアドバイスを受け、この日も試合前に先輩であるFC東京U-18・佐藤一樹監督から激励を受けた。風間は「伝統校なんでそういうところを意識して頑張れと。ありがたかったです」と感謝し、前橋商、筑波大で佐藤監督の一学年上に当たる笠原監督は「気持ちの面を言ってくれた。(最後に相手との差を生み出すのは)原点に戻ってメンタルの部分とかだと思う」と語った。「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」がFC東京の練習会場で開催されたという縁もあって、先輩たちから刺激を受けた前橋商イレブン。「強いチームじゃない」からこそ、ライバルたち以上に泥臭く戦い、ハードワークしなければ結果はついてこないことに選手たちが気づき、早速実行して結果を出したことは収穫。全国復帰を目指す今後へ向けて、非常に有意義な2日間となった。

(取材・文 吉田太郎)

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