「A代表のコンセプトを再確認できたし、また入りたいという気持ちになった。短い期間だったが良いトレーニングができた」

　U-23日本代表主将でもあるMF遠藤航(浦和)は充実感を口にしていた。最後の紅白戦ではMF柏木陽介とダブルボランチを組んで小気味よい動きを披露。ハリルホジッチ監督が繰り返し言った「ゾーンプレス」の意図をピッチで実践することに努めた。

　3日間に受けた指導では、「チャレンジ&カバー」といった、ごくごく基本的なことも含まれていたようだが、とにもかくにもハリル流のゾーンプレスの肝が「コンパクト」「距離感」であるという意識は植え付けられた。

「ゾーンプレスというのは基本的な考え方なので特に新鮮さはなかったけど、チームに帰ったらもっとアグレッシブにプレーすることや切り替え、球際、運動量というところは見せていかなければいけないのかなと思う」

　意識付けそのものが指揮官の意図だったことを思えば、狙いは達成できたと言えるだろう。

「Jリーグに足りないところや、A代表はこういうところを求めてやっていくという意識付けだった。これを継続してやっていくことと、(練習だけでなく)試合でコンパクトにすることを見せていかないといけない」

　各チームごとにそれぞれのコンセプトがある中、果たしてハリル合宿を経た選手たちは次のJリーグでどのようなプレーを見せるか――。

(取材・文　矢内由美子)