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どんな時もしっかりコメント…10番大儀見の一貫した姿勢

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[3.9 リオ五輪女子アジア最終予選 日本1-0北朝鮮 金鳥スタ]

 新10番として臨んだ初の大会が終わった。FW大儀見優季は5試合すべてに出場して2得点。日本女子代表(なでしこジャパン)は6チーム中3位で、リオデジャネイロ五輪への出場権を逃した。

 プレッシャーはあった。これまで日本女子代表(なでしこジャパン)の10番と言えば、イコール澤穂希だった。しかしそんな澤さんが昨年末に現役を引退。大儀見は澤引退に直面したなでしこの10番を託された。

 第3戦の中国戦後にはチームを思うが故の辛辣なコメントが誤解を生んだ。ただ、どんな時でも逃げずに報道陣の前でしっかりコメントするのも大儀見だった。中心選手、なでしこジャパンの顔としての自覚。「こういった積極的なプレーをプレシャーの掛かった中でやっていかないと、アジア予選は戦えない。個人としての意識を上げていけば、もう一度世界一が取れると思う」。自らに言い聞かすように、チームを鼓舞する姿は、今大会で一貫して見られた姿勢だ。

「この5試合は自分らしいプレーを見せたつもりですし、まだ新しい背番号になって、10日くらいしか経っていない。これから長い時間をかけて、皆さんに認めてもらえるように頑張っていきたい」

 世代交代。多くの分野でいつかは直面するテーマだ。2011年のW杯優勝、2012年のロンドン五輪銀メダル、2015年のW杯準優勝。なでしこジャパンは、ほぼ同じメンバーで戦うことで、これまでの日本サッカー界の前例にない世界トップレベルの維持を可能にしてきた。

 しかしここに来て歪みが見えてきたのも事実。「結果を出せなかったことに関しては、自分自身重く受け止めている。ここから積み上げていくことはすごい大変だと思うけど、そこを逃げずに高い意識をもって、個人としてもレベルアップしていきたい」。佐々木則夫監督が退任し、新たななでしこジャパンがスタートする今後。それでも、新10番はこれからも一貫した姿勢で前に進み続ける。

(取材・文 児玉幸洋)
●リオ五輪女子アジア最終予選特設ページ

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