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“ライバル”のゴールで「火が付いた」FC東京DF橋本が値千金の同点弾

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[6.15 J1第1ステージ第10節 FC東京 1-1 広島 味スタ]

 なぜ、そこにいたのか――。後半21分に先制されたFC東京だが、直後の同24分に同点に追い付く。ネットを揺らしたのは右SBを務めるDF橋本拳人だった。

 直前の後半21分の失点場面。橋本は後方から送られたボールでPA内に進入したFWピーター・ウタカのマークにつく。「後ろからサポートが来ていたので、うまく対応できれば良かったけど、シュートを防ぎに行ったところをかわされてしまった」と振り返ったように、深い切り返しに対応できずに体勢を崩すと、ウタカのグラウンダーのクロスからFW浅野拓磨に先制点を奪われてしまった。

「PA内での1対1の対応はもっと改善しないといけないと改めて思った」と悔しさを滲ませた。しかし、得点を決めたのがU-23日本代表のチームメイト、そして五輪最終メンバー入りをともに目指す浅野であったことで、「火が付いた。自分が返してやろうという気持ちになった」と闘志を燃やした。

 そして、迎えた後半24分に橋本は有言実行のゴールを陥れる。左サイドからMF高橋秀人がサイドチェンジを送ると、ボールを受けたMF河野広貴の折り返しに滑り込んで同点ゴールを記録した。なぜ、ゴール前にいたのかという問いには「あまり覚えてないです」と苦笑しつつも、「CKの流れだったと思うけど、普通なら自分のポジションに戻るところを、点を取りたいという気持ちがあって残ってしまった」と明かした。

 4月の静岡キャンプで手倉森ジャパンに初めて名を連ねると、続く5月の佐賀合宿でも招集された。しかし、トゥーロン国際大会ではメンバー外となったように、五輪最終メンバーの当落線上にいる。「ここから本当にアピール合戦というか、まずは次のキャンプ(6月下旬の長野キャンプ)に選ばれるために、Jリーグでしっかり残さないといけない。僕はFC東京で結果を残していくだけ」と視線を鋭くさせた。

(取材・文 折戸岳彦)
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