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[総体]川崎F U-15出身の慶應義塾MF柿沼が等々力どよめかせる“衝撃ゴール”

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[6.18 総体神奈川県予選準決勝 慶應義塾高 1-1(PK6-5)湘南工科大附高 等々力]

 慶應義塾高は右大腿部負傷のために後半開始からの出場となった主将がスーパーゴールを決めた。6分、中盤左タッチライン際での攻防からやや前方でボールを受けたMF柿沼亮祐主将(3年)が間髪入れずに左足を振りぬく。ゴールまで30、40mの位置から放たれたロングシュート。ゴール方向へ向かったボールはGKの頭上を越えてそのままゴールネットに吸い込まれた。「(GKの位置を)確認して、間に合わなそうだなと思って。あと、走ったFWに食いついていた」。どよめきの声が起こる中でガッツポーズした背番号6に慶應イレブンが駆け寄り歓喜を爆発させた。

 慶應は前半、敵陣でボールを繋ぐシーンも多かったが、湘南工科大附高の堅守の前に攻め切ることができず、決定打を放つことができていなかった。それだけに、千金以上の価値があった一撃。このゴールで勢いを増した慶應は攻守において前に出る姿勢が出て、相手を完全に押し込んでいた。その中で柿沼はキックフェイントでDFを鮮やかに外してからのパスなど左サイドで脅威に。左SBの選手が足を攣らせた後半半ば以降は左SBに入って相手のスピードある攻撃を封じ込んだ。初戦後に痛めた右足の状態は万全ではなく、交代出場が続く中でのプレーだったが、それでも攻守において存在感。中心選手として全国出場に貢献した。
 
 川崎Fの育成組織出身で世界大会でゴールも決めている実力者。この日はかつてトップチームの前座試合などでプレーしたことがあるという等々力陸上競技場で衝撃的なゴールを決めた。「古巣ってことでしっかり頑張りました」。左足のクロス、シュート、視野の広さを感じさせる動きなど全国大会でも注目選手のひとりになることは間違いない。19日に全国総体出場を懸けた千葉県予選準決勝を戦う市立船橋高のエースMF高宇洋は中学時のチームメート。「ヤン(高宇洋)とかとやってみたいですね」と対戦を熱望した。

 将来的には系列の慶應義塾大への進学、そしてプロ入りを目指すMFが高校進学後初となる全国舞台でその存在を示す。

(取材・文 吉田太郎)
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