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日本対豪州 マッチレポート

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 オーストラリアはかなり入念にフィジカルを調整してきたらしい。いわゆる暑熱対策。この暑さは体の大きい欧米人のほうによりダメージを与える。

 この暑さをどう味方にするかを考えた。そしてカリカリにドライなピッチ。ヒディンクのとった作戦は、相手を疲れさせての後半勝負だった。

 カンカンに照る太陽の中、後半の18分くらいからオーストラリアの選手の足どりが少し重くなってきた。そして、20分過ぎになると今度は日本選手の動きが突然どすんと音を立てるように鈍くなった。

 そして、後半の後半に温存しておいた力をロングボールを蹴りこむカタチで泥臭く攻めた。ほとんど意識朦朧状態の日本チームのミスを次々と誘い3-1。日本はオーストラリア・ヒディンクの術中に嵌った。

 中田英は「気持ちひとつでこのくらいの差はなんとかなる」といっていた。フース・ヒディンクは「作戦ひとつでこのくらいの差はなんとかなる」

 後半勝負という作戦。コンディションが落ちるのを見計らって日本を潰す作戦を見事に成功させた。

 「暑さ」にしても、「川の字になって攻め込むスタイル」もある程度は予想されたはず。しかし、最後の最後にその勝負をかけるという点については、完全に監督の作戦勝ち。ギャンブルに勝ったようなものだが。

 韓国の選手に言わせれば「いつものヒディンク流さ」ということだろう。「計画と仕掛けさえしておけば運は向いてくるもの」

 この試合はヒディンクの作戦勝ちの色彩が濃厚である。

 日本チームは非常によくまとまってきており、今回のようにまんまと術に嵌るようなことがなければ、おそらく相当のパフォーマンスを今後も発揮する高いレベルになっている。

 意気消沈することなくこのハイレベルの自由度を生かしたサッカーを完成の域まで高めてもらいたい。すごくいいところまでいってますよ。

 日本はシンガポール戦の教訓を生かせなかったのは残念。選手は完全に暑さのほうに負けていた。

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