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[ADIDAS CUP 2016 in SENDAI]新人戦優勝校の地元・仙台城南が堅守速攻貫き、開志学園JSC高を撃破!

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[8.7 ADIDAS CUP 2016 in SENDAI 開志学園JSC高 0-0(PK3-4)仙台城南高 松島FTB]

 選手権へ向けた強化を狙いとして地元・宮城県をはじめ、北海道・東北、関東、北信越の強豪12チームが熱戦を繰り広げている「ADIDAS CUP 2016 in SENDAI」は7日午前、準々決勝を行い、地元・仙台城南高(宮城)が14年選手権16強の開志学園JSC高(新潟)と対戦。0-0で突入したPK戦の末、4-3で勝利した。

 仙台城南は10年、14年W杯出場のMF今野泰幸を育てたほか、かつて東北高を東北地方屈指の強豪校へ成長させた実績を持つ大森貞夫監督の就任7年目。昨年11月の新人戦で初優勝を果たすなど、宮城県の覇権争いに食い込んできている新鋭だ。今年8月から東北工大サッカー部のアドバイザーも兼任し、宮城のサッカー強化への新たな挑戦も始めている大森監督の下、仙台城南は今大会も上位進出。中学時代は実績の無かったような選手も多いというが、経験豊富な指揮官は「(中学時代に悔しい思いを持っている)その方が高校に入って一生懸命やる」と、その意欲を個々やチームの成長、活性化に繋げている。

 直前の秋田遠征では体力面の課題を残したものの、暑さに慣れてきた今大会では注目守護神・長谷川丈瑠(3年)を中心に特長である堅守を発揮。大森監督も「ある程度、守備の部分では守れる自信がある」という通りの試合運びを見せている。開志学園JSC戦の前半は無失点で試合を進めると、負傷のSB小野周也主将(3年)に代わってキャプテンマークを巻くMF今野充崇(3年)が得意のドリブルからシュートを放ち、CB兼任の186cmFW庄子匠(3年)の強烈なシュートがポストをかすめるなどチャンスもつくり出す。

 一方の開志学園JSCはテンポのいい攻撃から局面をショートコンビネーションで打開。FW末永勇成(3年)がクロスバー直撃のヘディングシュートを放つなど攻め返す。後半はより試合の流れを傾け、テクニカルなトップ下・MF梅津比未来(2年)やMF大坪奨(3年)、MF八木秀磨(3年)のチャンスメークから決定的なシーンをつくり出した。また、後半は7月の国際ユースサッカーin新潟で新潟選抜のU-17日本代表撃破に貢献したCB三河大地(3年)が高さを発揮して制空権を握るなど無失点で試合を進めたが、今野が「いつもより雰囲気が良かったです。チーム内でちょっとしたことで言い合いとか起きちゃっていたけれど、きょうはみんなで『行こう、行こう』となっていた」と説明する仙台城南の堅守にあい、CB相澤匡耶(3年)やCB三浦翼(2年)、左SB庄子悠平(3年)にゴール前で跳ね返されるなど1点を奪うことができなかった。

 試合は0-0のままPK戦へ突入。その3人目、先攻の開志学園JSCは先に失敗したが、PK戦要員として投入されたGK工藤翔(3年)が直後に相手のシュートをストップする。このあと、仙台城南GK長谷川、開志学園JSC・工藤がともに1本ずつ止めて迎えた6人目、仙台城南の188cmGK長谷川がその身体能力の高さを活かしたセービングで再び止めてチームメートの歓声を浴びる。最後は庄子匠が右足シュートを右隅に突き刺して決着。仙台城南が準決勝進出を決めた。

 長谷川が「チームとしてのコンセプトが堅守速攻なので、下から守って守備から攻撃という意識でやっていた。いい形で勝つことができたと思います」と振り返ったように、仙台城南は初Vを狙う選手権へ向けて雰囲気も良い戦いを見せた。今野は「(総体予選で)優勝した(仙台)育英とか東北とかは個々が強くて、チームとしての力もある。対応するためには声と走り。声と走りで補える部分はたくさんあると思う。そこで負けなければ、自分たちも優勝する力はあると思う」と力を込める。そして「(選手権では)普段勝っている育英や東北が勝ったら当然だなと思われるはず。自分たちみたいな最近伝統校になりかけているチームが全国行った方が見ている側も面白いかなと思う。総体では東北に負けたので東北にリベンジしたい。そして自分たちのサッカーを貫いて優勝したい」。名将の指導の下、武器である堅守速攻を磨く仙台城南が選手権予選でも歴史を変える。
 
(取材・文 吉田太郎)
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