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攻撃が単調だったと肩を落とした原口

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[9.1 W杯アジア最終予選 日本1-2UAE 埼玉]

 1点を追う後半30分、指揮官から交代出場の指名を受けたFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)はMF大島僚太と交代でピッチに立つと、勢いよくボランチのポジションに向かっていった。時間は少ないが、どうにかしてチームに得点をもたらしたい。そんな気迫が見えた。

 しかし、思いはボールに伝わらなかった。ハリルホジッチ監督から指示されたポジションは「ハセさん(長谷部)の前で、(香川)真司くん君の後ろ」で、「リスクは冒して良いが、ポジションは変えるな」という付帯条件付きだった。

 つまり、ボランチであるため、得意とするサイドでのチャンスメイクを試みようとすると、守備に回ったときに定位置まで戻ってくるのに時間がかかることになり、おいそれとはチャレンジできない。よって自然と人混みの激しい中央でプレーすることが増える。だから攻撃が跳ね返される。

 ピッチに立ったとき、MF香川真司に「速いパスを入れるのと、外から入れるのと、どちらが良いか?」と尋ねたという。香川の返答は「外からが良い」。それについては原口も同意見だったが、いかんせん自分がサイドまで行くことができなかった。結果、あと1点が遠かった。

「ゴール前にもう一人入ることによってチャンスを増やそうと思ったけど、(相手にとっては)攻撃が分かりやすかったと思う」と嘆いた原口は「前半は(酒井)宏樹がサイドで受けても結局、1対1しかなかった。僕が宏樹の間に入るとか、工夫が必要だと思う。いろいろ考えながらやったけど、結果が出なかったので……」と、不完全燃焼の表情を浮かべるしかなかった。

(取材・文 矢内由美子)

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