beacon

「勝負弱かった」本田が日本代表の現状に厳しい直言

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.1 W杯アジア最終予選 日本1-2UAE 埼玉]

 一人気を吐いた。FW本田圭佑(ミラン)は前半11分、MF清武弘嗣の右FKをヘディングで叩き付ける先制点。W杯予選は2次予選から通じて出場試合7戦連発と貫録を示した。

 しかし、果敢に追加点を狙いに行く中でミスからカウンターを受け、ファウルで同点につながるFKを献上。後半9分にはPKで逆転を許した。「結果論だけど、1点取ってからは落ち着いて試合をコントロールしても良かったのかもしれない」と試合運びを悔やむと、「勝負弱かった。どんな内容であっても勝ち切らないといけない」と、逆転負けという結果を重く受け止めた。

「(日本代表は)数値上はいい戦力がそろっていると思うけど、試合に勝つには数値だけで測れない部分もある。そこが欠けているのは間違いない。それがこの2、3年の結果に表れている」

 そう持論を展開する本田は技術や戦術以前の問題を指摘した。「根本の気合、根性、足を一歩出してつぶすとか、負けず嫌いみたいなものが大事なところでは求められている」。その課題克服が簡単ではないことも分かっている。

「短期的に解決する問題じゃない。明日、人が変身することはないし、積み重ねだと思うけど、長期的なプロジェクトで言うなら、Jリーグの選手がもっと海外に行くことは必ず必要なアプローチだと思う」

 本田がかねて主張してきた“海外移籍のススメ”。「これを言うと、『Jリーグを批判している』と言われるけど、サッカーの質が違う。Jリーグの質が悪いということではなく、別の質に慣れないといけない。国際大会は別の質との戦いになる」と、その真意を語った。

 この日ベンチ入りした23人のうち半数以上の13人が欧州組。先発の8人を占めたが、それでも絶対的に“数”が足りないという。「100人は海外に行って、50人がレギュラーで、そこから代表のレギュラーを選ぶぐらいにならないと。南米はもっと多い。日本では、僕を含めて海外でレギュラー争いをしていれば、代表に呼んでもらえて試合にも出られる。それだけじゃ足りない」。自戒も込め、日本代表の現状を厳しく分析した。

(取材・文 西山紘平)

●ロシアW杯アジア最終予選特集
●ロシアW杯各大陸予選一覧

TOP