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[NB CHAMPIONSHIP U-16]見せた底力と勝利への執念!滝川二に劇的勝利の星稜が1位T進出!

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[9.18 NB CHAMPIONSHIP U-16予選リーグ第3節 星稜高 1-0 滝川二高 時之栖うさぎ島G]

 全国の強豪32校の1年生たちがトップレベルの戦いの中で切磋琢磨し、成長を目指す「newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2016」は18日午前、予選リーグ最終節を行い、大混戦となったグループEは試合終了間際にCB湯澤拓士が決めた決勝点によって滝川二高(兵庫)を1-0で下した星稜高(石川)が、大逆転で1位トーナメント進出を決めた。

 勝ち点4の滝川二と札幌大谷高(北海道)を勝ち点1差で追う星稜が1位トーナメントへ進出するためには勝つしかなかった。だが、試合は一進一退の展開。FW小山愛生やMF井関雄太が鋭く背後へ抜け出してくる滝川二の方がより多くの決定機をつくり出していた。

 だが、星稜はCB湯澤やCB川地功起中心に必死の守り。そして守備範囲の広さを見せたGK林海渡が滝川二のMF島和暉や小山の決定的なシュートを次々とストップして得点を許さない。だが、星稜は抜け出したFW藤井友生がGKを外して放ったシュートの威力が大雨の影響でゴール前に溜まっていた水によって弱まり、カバーした滝川二DFにギリギリでかき出されてしまうなど、1点を奪うことができない。

 それでも試合終了4分前の後半26分、星稜はMF岩岸宗志の右FKを湯澤がダイビングヘッドでゴールへ突き刺す。大興奮の星稜イレブン。殊勲の湯澤は頭を打った影響でしばらく立ち上がることができないほどだったが、チーム全員の執念が乗り移ったような一撃だった。決めた湯澤も「1試合通して全体的に粘り強いサッカーができて、一人ひとりがファイトできていたと思います。今までの練習試合とかでは個人プレーとかが多かったんですけど、前日の練習とかでは全員で攻めて全員で守ろうという話もしていたので、その全員攻撃全員守備を貫いて、星稜らしいセットプレーで取れたのは良かった」と喜んでいた。

 試合後、札幌大谷が鹿児島実高(鹿児島)とスコアレスドローで終えたことを確認した選手たちは「よっしゃー」の大声。1位トーナメント進出を心から喜んでいた姿が印象的だった。木原力斗コーチは「鹿実戦、滝二戦もですけれど、今大会はエエ試合が多いんですよ。さっきの試合もウチの選手で出れなくて泣いていた選手もいましたし、相手にも負けて泣いていた選手がいました。高校1年生でこういう経験はなかなかできないと思います」。星稜は準々決勝でも興國高に1-0で勝利。湯澤は「(興國戦は)ベンチから見ていて、みんなの気持ちが伝わってきて泣きそうなくらいでした」。全国トップクラスのチームたちが繰り広げた真剣勝負によってチームワークを深めながら成長した選手はもちろん、指導者たちにとっても貴重な経験を積む大会になっているようだ。

 木原コーチは最終的に準決勝まで勝ち上がった選手たちへ向けて「どれだけ失敗して、どれだけ課題を持ち帰って成長できるか」。この3日間の大会期間中の頑張りだけで終わってはならない。選手権で4年連続4強以上の星稜で1年生がメンバー入りすることはもちろん容易ではないが、彼らは「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」で学んだことを日頃の練習で取り組んで、より大きく成長する。

(取材・文 吉田太郎)
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【特設ページ】newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2016

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