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[MOM1902]神奈川県MF岩澤桐人(横浜FMユース、1年)_「自分で出ていって、勝負決めよう」守備で存在感放つMFが決勝弾!

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後半20分、神奈川MF岩澤が右足で決勝ゴール。(写真協力 高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.4 国体少年男子準々決勝 青森県 2-3 神奈川県 遠野運動公園陸上競技場]

 関東ブロック予選ではケガのために欠場。「ケガで行けなくて大分悲しかったんですけど、みんなで戦ってくれてこの舞台を用意してくれたので頑張ってやろうと」意気込む神奈川県MF岩澤桐人(横浜FMユース、1年)が強豪対決勝利の立て役者となった。

 永山晃監督(浅野高)も認めていたが、彼の合流が間違いなくチームの安定感を高めている。元々は攻撃的なプレーヤーだが、ボランチのポジションに順応。本人のボール奪取することへの「喜び」がまた中盤の守備を引き締めている。「自分が取ったら、自分が取ったぞ、という感じで気持ち良くなる。『オレ、やってやったぜ』となるんで(微笑)。きょうは相手が蹴ってきたんで、DFが跳ね返したところで取ろうと。しっかりハードワークしてやろうと思っていました」。前半は相手にセカンドボールを回収されてまた攻められるシーンも少なくなかった。だが、後半はチームの繋ぎの質が上がり、失った後も岩澤らが人数をかけて高い位置で奪い返すことに成功していた。

 そして岩澤は試合を決める大仕事もしてのけた。追いついた直後の後半20分、神奈川県は右サイドでDFを外してSB藤森隆汰(横浜FCユース、1年)がPAへクロス。これをニアサイドでコントロールしたのはリスクを負って攻め上がった岩澤だった。「自分はディフェンシブでバランス取ってサッカーをやっていたんですけど、2-2の状況で『これ、自分で行かなかったら』と欲出て、『自分で出ていって、勝負決めよう』と行ったらちょうど来て、あとは振り抜くだけでした」。ファーストタッチでは青森DFを振り切ることができなかったが、もうひとつ前に持ち出してフリーに。思い切り振り抜いてニアサイドのゴールネットへ突き刺した一撃については永山監督も「あれをニア上へ蹴れる選手はあまりいないですよ」と驚きを交えた笑顔を見せていた。

 将来的には「仲間をフォローしつつ自分が決めるような選手になりたい」という岩澤。この日は活躍した選手が多かった神奈川の中でも一際存在感を放っていたが、「まだ力がないので細かいところから力をつけて行こうと思います」と謙虚に成長を誓う。この国体では神奈川に恩返しすること。「神奈川のサッカーで美しく勝つ」と誓うボランチが仲間を支えながら、再び試合を決める活躍を見せる。

(取材・文 吉田太郎)
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