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[選手権予選]「今までで一番熱くなった」関東一のエース冨山、感情表現して戦い延長V弾!:東京A

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延長前半5分、関東一高MF冨山大輔が右足で決勝点

[10.16 全国高校選手権東京都Aブロック予選準々決勝 関東一 3-2(延長)早稲田実 清瀬内山運動公園サッカー場]

「今までで一番熱くなった」。夏の総体予選優勝校・関東一高のエースMF冨山大輔(3年)はこの試合、自身でも違いを感じるほど、「何とかしたいという思い」に溢れ、勝利に対して必死になっていた。

 普段はなかなか闘志が表に出てこないようなタイプだが、自ら「出せ!」と大声でボールを要求し、守備でもがむしゃらさが目立った。0-2の後半35分に生まれた追撃ゴールは右サイドで冨山が粘り強くキープしたことが起点に。そして「自分もちょっと、オオっと」なったという劇的な同点劇を経て迎えた延長前半5分、冨山はFW重田快(2年)からのパスを左中間で受けると、左へ向かうと見せかけて鋭いターンでDFを欺き、すぐさま右足を振り抜く。これがゴール左隅を破る決勝点となった。

「あそこまではいつも上手く行くんですけど。あそこで決め切らないのは1年からの課題だったので決まって良かった」。課題だったDFを外してから、決める部分。「(同じく準々決勝で敗れた)去年みたいになりたくなかった。死ぬ気で、強気でというチームのテーマもあったんで」と必死に戦い、ゴールを狙い続けたことが決勝点と逆転勝利に繋がった。

 同じく10番を背負っていた昨年の全国高校総体ではチームの全国4強に貢献し、自身も大会優秀選手に選出された。今年も総体予選準決勝で関東一を全国へ導くゴールを決めるなど勝敗を分ける存在でいるものの、一番良い時期のプレーが続いている訳ではない。小野貴裕監督も「自分でやるところと、使い分けができていなかった」と指摘する。それら周囲からの言葉を「自分自身を乗り越えるために監督が言ってくれている」と素直に受け止め、今は壁を越えることに全力。この日、“熱い”姿も見せたエースが自分自身を乗り越えて、チームを全国へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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