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「上から見ることになるかも」強気封印の小林祐希が“本番”前に静かな闘志

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練習中に明るい表情を見せるMF小林祐希

 ビッグマウスは控えめだった。W杯アジア最終予選前半戦の大一番となる15日のサウジアラビア戦(埼玉)に向け、日本代表MF小林祐希(ヘーレンフェーン)は「23人しか登録できないし、上(スタンド)から見ることになる可能性もある。いつもどおり準備はしておきます」と、胸に秘めた闘志を押し隠すように静かに言った。

 11日のオマーン戦(4-0)は後半23分からボランチの位置で途中出場し、デビュー2戦目で代表初ゴールという結果も残した。試合後は「極端に言えば、練習試合。本選でより取りたいと強く思った」と、あくまで親善試合であることを強調していたが、2日後に迫る“本番”を前に、強気なコメントは封印した。

 予習はバッチリだ。 B組で首位に立つサウジアラビアに対し、「テクニックがある選手が多い。スピードもあるし、個が優れている選手が多いので注意したい」。合宿開始前にサウジアラビアの映像は選手に配布されているが、「俺はアジアの試合はDVDが渡される、渡されないに関わらず見ています」とニヤリ。対オーストラリア戦、UAE戦、イラク戦の3試合を確認済みで、対戦相手のイメージを膨らませている。

 合宿初日の6日にMF香川真司やMF清武弘嗣とのポジション争いについて聞かれた際は「2人は今でも高い壁だけど、そんなこと言ってられない。追いつき、追い越し、突き放さないと。(香川や清武と)一つのパスを交換すれば、自分の今の立ち位置、レベルは分かる」と話していたが、1週間が経ち、自身の“立ち位置”を見極めることはできたのか。

「かなり手応えはあるし、やれる自信はある」と淀みなく答えた24歳のレフティーは「プレースピード、ボールを持ったときの判断、ゴール前に行くプレーのイメージ。自分にしかないものを出せるように準備したい」。まずはベンチ入りの23人に入ること。そのうえで自分自身が初めてW杯予選のピッチに立ったときのイメージもできている。

(取材・文 佐藤亜希子)

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