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<サウジ戦展望>A組大一番へあえていばらの道

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 「現地に到着したらすぐに練習を始める」。オシム監督は、サウジアラビア出発前の空港で選手たちに告げた。

 前夜Jリーグの試合を終えたばかりの招集、フライト、そして到着後即練習。9月3日(日本時間では4日深夜)の試合に向け、ギリギリの調整だ。現地では日中40℃を超える気温になる。

 日本が入ったアジアカップ予選A組、その最大のライバルと目されるサウジアラビア戦。サウジアラビアは同予選のインド戦で2得点したエース、アル・カータニ(写真)が先日のUAEとの親善試合中にケガをして欠場する。

 しかし、オシムジャパンにとっては初のアウェーゲーム。暑熱対策も満足に取れないスケジュール。さらに「スタミナのことを考えて人選した」結果、西川、梅崎(ともに大分)伊野波(FC東京)ら若手の抜擢、二川(G大阪)も初代表選出というメンバー構成。未知数な部分は多い。

 決して楽な試合にはならない。しかし、オシム監督はあえてそういった環境を作った、とも言える。目前の勝負よりも先々を見据えた日本代表の強化。過酷な条件下で挙げる1点、そして1勝は大きな自信に繋がるだろう。

 各予選グループ上位2チームが本戦に出場できるレギュレーションだからこそできる、公式戦での試練。選手たちがこの壁を乗り越えられるかどうか、結果、内容はもちろんだが、選手個々の動きにも注目したい。

(文・伊藤亮)

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