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「あそこを突破すれば1点もの」、清水内定の専修大DF飯田はアシスト記録

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来季の清水入り内定の専修大DF飯田

[12.7 全日本大学選手権1回戦 専修大3-2日本文理大 味フィ西]

 プロ入りが決まっている立場として、意地のアシストだった。来季の清水エスパルス入団が内定している専修大のDF飯田貴敬(4年=野洲高)は全日本大学選手権(インカレ)1回戦・日本文理大戦で2-1の勝ち越し弾をアシスト。3-2の勝利に貢献した。

 ゲームキャプテンを務め、序盤から右SBとして、攻撃参加で見せ場を演出。1-1の後半13分に2-1の勝ち越し弾をお膳立てた。PA右から突破を仕掛けて一枚かわすと、絶妙なアーリークロス。ゴール正面で待ち構えていたFW柳育崇(4年=八千代高)がダイレクトで叩き込んだ。

「後半が始まる前にチームとして前へいこうと話していました。もっと個人として突破しないといけないし、それが自分の強みだとも思っていたので。あの場面でも、自分が突破して一人をはがして、いいクロスを上げられれば、得点につながると意識して、突破さえできれば、1点ものだなと勝負しました」

 PA内での数メートル。一瞬の勝負を制した飯田のボールは柳の得点を生んだ。その後にチームはオウンゴールで失点したが、後半41分に三度目の勝ち越しに成功。飯田のパスを受けたMF佐藤遵樹(4年=千葉U-18)の右クロスから最後はFW岸晃司(1年=川崎U-18)がヘディングシュート。3-2の勝利で、まずは初戦を突破した。

 今季は清水の特別指定選手としての立場もあった飯田。6月から9月にかけては静岡に滞在し、経験を積んだ。「多くを学びましたし、来年のイメージはしやすくなりました」と言い、「清水はポゼッションサッカーでテンポの良いパス回しからサイドを突破し、テセ(鄭大世)さんや元紀(大前)くんなど力がある人がいるので。サイドで突破できれば、自然と結果がついてくるかなというイメージ。自分の強みを出せれば、アシストやゴールにつながるプレーが増えてくると思う」と期待に胸を膨らませている。

 とはいえ、まずは目前の試合に集中している。初戦突破にも「きょうの試合だと、もう少しできたかな」と浮かない表情。「プロとして見られる分、もっとやらないといけない。まだまだ物足りないですし、質も上げていかないといけない」と静かに誓った。

 2回戦の相手は前回王者の関西学院大(関西2)。「強敵ですし、一番やりたかった相手。自分たちはプレーオフ枠からの出場という立場で、どれだけできるか。今日みたいな試合なら負けると思うので。中2日でチームみんなと話し合って迎えたい」。清水入りのSBが関西学院大のサイドを切り裂き、勝利を引き寄せる。

(取材・文 片岡涼)
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