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野洲は1年前よりも“らしさ”魅せるも…注目の2年生MF高取「あれが、選手権の怖さ」

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攻撃を引っ張った野洲高のMF高取誠隆

[12.30 全国高校選手権開幕戦 関東一高1-0野洲高 駒沢]

 ボールを支配した。決定機もつくった。1年前よりも良い内容のサッカーができたと感じている。シュート数では12対2と圧倒したが、結果は0-1の敗戦。野洲高の2年生MF高取誠隆は悔しさを滲ませながら口にした。

「あれが、選手権の怖さやと思います」

 高取は1年前、注目を集めた聖和学園高戦も先発フル出場していた。結果は1-7での大敗。今回、ドリブル突破こそ少なかったものの、野洲らしい鮮やかな崩し、パスワークを随所で魅せた開幕戦について「去年に比べたら出せたなと思います」と評価したが、今年も勝つことはできなかった。「選手権、怖いなというか……。全然勝てたと思うし、支配していたと思うし、ただ1本のPKで行かれてしまった」

 高取は2年生ながら“セクシーフットボール”こと野洲の攻撃の中心を担ってきた。県予選でも存在感を示し、この日も左サイドでのスルーパスやドリブル突破で、チャンスメーク。同じく2年生の司令塔、MF江口稜馬らとともに攻撃を引っ張った。

 個人的には昨年よりも前に行く力を示すことができた。そのボールスキルの高さで存在感を示した。連係での崩しだけでなく、個人技で切れ込んでシュートを放つなど何とかしようと戦ったが、遠かった1点。自身の課題について「シュートっすね。前半とか結構打っているんですけど、それをゴールにできなかったから悔しかったです」と改善することを誓っていた。

 2年連続での初戦敗退。昨年以上に個人、チームとして力を発揮した全国だったが、堅い守りをこじ開ける力をつけなければ1勝、それ以上をすることはできない。来年へ向けて高取は「2年間積み上げてきたものというか、先輩たちが残してくれたものがあるので、また違う野洲高校ができると思う。しっかり、今年出た2年を中心に来年頑張りたいなと思います」。来年は沸かせるだけではなく、白星を勝ち取る。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

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