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武藤嘉紀が狙うはバックアッパーからの脱却、ケガで苦しんだ時期から見えたものは

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ケガもありながら、出場した試合では結果を残したFW武藤嘉紀

 マインツに所属する日本代表FW武藤嘉紀の前半戦はケガに苦しめられた。今季はいまだ5試合の出場にとどまっていることからも見て取れる。

 ディフェンスラインのギャップを突く秀逸な飛び出しから左足を一閃し、見事な先制ゴールを叩き出したヨーロッパリーグ第2節のガバラ戦で、試合終了間際に右膝を負傷。診断の結果、内側側副靭帯の損傷が判明し、10月からの公式戦15試合の全休を余儀なくされた。

 ブンデスリーガで挙げた2ゴールは、どちらもワンタッチで決めたフィニッシャーらしいもの。81分からピッチに立った開幕戦では、同じく途中出場だったパブロ・デ・ブラシスのクロスに頭で合わせ、完封勝利が目前のドルトムントに一矢を報いた。

 2ゴール目を挙げたのは第3節のアウクスブルク戦だ。味方が右サイドの高い位置まで侵攻すると、巧みな動き出しで敵守備陣の死角に入り、最後は味方が放ったシュートのこぼれ球に瞬時に反応し、勝利を決定づけるマインツの3点目をもぎ取った。

 それでも国内リーグでバックアッパーに甘んじたのは、1トップの定位置を争うジョン・コルドバが好調だったから。このライバルも開幕3試合で2ゴールとしっかり結果を残していたのだ。右膝の怪我で昨シーズン終盤を棒に振っている間に、メキメキと頭角を現したコルドバは、今後も武藤の前に立ちはだかる壁となりそうだ。

 ただし、そのコルドバはここまで16試合・3得点と、フィニッシャーとして物足りない成績に終わっている。自慢のポストワークや相手守備陣の注意を引きつける動き出しは冴えていたとはいえ、不動の地位を築き上げているわけではない。マルティン・シュミット監督が構想を温める2トップの導入、CFのレギュラー変更の余地はあるだろう。

 すでにトレーニングに復帰済みの武藤は、1月3日に始動するチームキャンプに参加見込み。ウインターブレイク明けの初戦となる第17節のケルン戦に向けて、調整を進めていくことになる。このキャンプ中に組まれているテストマッチは計4試合。6日にオランダのADOデンハーグ、7日にフェイエノールト、14日にボルシアMG+2部デュッセルドルフかバイエルン(この2試合は45分間マッチ)、15日にトリノと手合わせする。

 このテストマッチ4試合はもちろん、最も重要なのはやはりケルン戦だろう。ライバルのコルドバが出場停止のため、武藤がブンデスリーガで今季初スタメンを飾る可能性が膨らんでいる。堅守が売りのケルンを相手に、巻き返しのきっかけを掴めるか注目だ。


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