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[MOM2053]長崎総合科学大附DF嶋中春児(2年)_名将も認める成長と運動能力。エースキラーの役割全う

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東福岡撃破に貢献した長崎総合科学大附高DF嶋中春児

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.12 九州新人大会準決勝 長崎総合科学大附高 1-0 東福岡高 佐賀県総合運動場陸上競技場]
 
 任務を遂行するために、とにかく走って、食らいついた。長崎総合科学大附高はこの日、東福岡高のキーマン3人をマンマーク。中でもDF嶋中春児は東福岡の10番、MF福田湧矢を徹底マークする役割を担った。

「(福田は)足も速い選手ですし、ついて行くのも大変。相手を見ておけと言われていたので抑えられて良かった。距離感、あと、近づいてずっと相手の目を見たりとか、そういうところを意識していました」

 嶋中の最大の武器はヘディング。身長は175cmだが、相手よりも長く跳躍できるというジャンプによって、攻守において脅威となっている。加えて、この日は名将・小嶺忠敏監督も認める運動能力を活かしてエースキラー役を全う。福田の鋭いターンでマークを外されたシーンも幾度かあったが、諦めずに追いかけて圧力をかけ続けていた。相手の目を見て動きを予測。結果、素早い対応で東福岡の攻撃の起点であり、フィニッシャーでもある注目MFに決定的な仕事をさせず、シュートも立ち上がりに打たれた1本だけに封じて完封した。

 下級生時から全国舞台で経験を積んできた嶋中は時に一際大きな怒声をチームメートに浴びせて引き締める役割を務めていた。「去年、先輩たちから声出せば気持ちが楽になるから声出せと言われて。癖になってしまった」と笑う。「ヘタクソと言われているけれど、ヘタクソなりにやっていきたい」というDFは声でも、その運動能力を活かした攻守でも目立つ存在となっていた。

 熊本県出身。「厳しい環境で、小嶺先生という名将の下でやりたい」という理由で長崎総科大附へ進学してきた。その恩師は「運動能力は高い。この2、3か月でしっかりしてきた」と人間性の面も成長してきていることを認めている。今年は主力としてより、成長を遂げてチームの勝利に貢献すること。そして「全国選手権で去年は悔しい結果になったので優勝狙って。去年の結果を越していきたい」という目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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